「健康」情報が氾濫している。「××さえ食べれば健康」「××だけで痩せられる」といった話を聞けば試し、「いまいち効果がないような……」と首をひねった経験は誰にでもあるのではないか。巷に溢れる健康法の「ウソ・ホント」を検証する。
(1)「DHA(青魚)で頭が良くなる」に根拠はあるのか
青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳を形成する脂肪酸。日本植物油協会はHPで〈『DHAで頭が良くなる』という説がありますが、これは「不足すれば脳の活動は低下するが、補給すれば元に回復する」ことです。すなわち「持って生まれた知能レベルはDHAの投与で良くなるのではない」ということです〉と端的に説明する。
(2)「長生きしたければ肉を食べてはいけない」のか
肉抜きの食生活で長寿健康を実現した女性の書籍がベストセラーとなったが、「動物性たんぱく質は体に必要だから肉は食べていいし、食べるべき」と食生活ジャーナリストの会代表幹事・佐藤達夫氏は警鐘を鳴らす。“常識外れの方法”で長生きする人もいる。だが、「常識外れの方法でも長生きなのは、その他の部分で健康的な生活を送っているから」という可能性は高い。
(3)「目の疲れにはブルーベリー」についての最新見地
国立健康・栄養研究所が過去の学術論文をもとに情報を整理した「健康食品の素材情報データベース」では、ブルーベリーの眼精疲労回復効果について〈ヒトでの有効性について信頼できるデータは見当たらない〉としている。
(4)「コラーゲンを食べると肌プルプル」に騙されるな
コラーゲンは皮膚や軟骨を形作るたんぱく質だが、「食べて美肌になる」といった効果は立証されていない。たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、再び体に必要なたんぱく質に合成される。つまり「コラーゲンを摂取した」というのは「たんぱく質を摂取した」ことと変わらない。コラーゲンが分解・合成されて再びコラーゲンになるかは人為的に操作できない。
※SAPIO2013年8月号