国内

不妊治療助成42歳制限 厚労省は実績や合併症リスクで決めた

 8月20日、不妊に悩む女性に衝撃を与える報道があった。

〈不妊治療の助成は42歳まで、16年度から制限〉(日本経済新聞)

 安倍晋三首相は「妊娠、出産支援」「待機児童対策」「仕事と家庭の両立支援」を少子化対策の三本の矢に掲げている。ところが、言葉とは裏腹に、政府は、これまで年齢制限がなかった不妊治療への公費助成を「42歳」で打ち切るというのだ。

 なぜ、42歳なのか。厚労省の担当者にぶつけると、「年齢は不妊症の治療実績や合併症リスクを分析して決めた」(母子保健課)と滔々(とうとう)と説明した。

 治療の可否と助成を医学上の基準で個別に判断するならまだしも、不妊治療の希望者が増えて(2012年度は開始年の2004年の6.5倍)カネを食い過ぎるから、政府が女性を一律「42歳」で線を引き、「あなた方の妊娠の努力を国は支援しない」と見捨てようとしていることにかわりはない。

 1974年生まれ(39歳)の女性はあと2年半、現在42歳なら2016年までの移行期間中に最大6回までしか、1回15万円の助成金を受けるチャンスを与えられない。

※週刊ポスト2013年9月6日号

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