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東京五輪招致でも“放射能”でトップ選手ボイコットの懸念も

 9月7日(日本時間8日)、2020年夏季五輪の開催地が決定するが、東京五輪招致が決まったとしても懸念は残る。

 今回の五輪招致レースで、日本の招致委員が最も触れられたくない懸案事項は福島原発事故の影響だった。実際、8月27日、日本と招致レースを争っているスペインの大手通信社は「福島の原発問題が解決していない中、日本の五輪開催に影響が出てくる」とのネガティブキャンペーンを繰り広げていたのだ。

 東京招致に成功したとしても大会運営上、大きな不安となるに違いない。

「放射能の問題は外国人にとって最大の関心事。事故直後に、プロ野球やJリーグでプレーする海外選手たちがこぞって帰国してしまったニュースは記憶に新しい。それと同様の事態が起こる可能性だってあります」(在米ジャーナリスト)

 海外選手の出場ボイコットさえありうるという。

「7月中旬に東電が認めた『放射能汚染水の海洋流出問題』では世界中に波紋が広がりました。英BBC放送では連日この問題を取り上げています。こうなったら、国家全体の問題として事後処理に取り組むべきです」(同)

 もし国が有効な手立てを講じられなければ国際社会の中で日本の立場はより厳しくなるだろう。

 2008年の北京五輪では当時世界記録を保持していたハイレ・ゲブレシラシエ選手(エチオピア)が「あんな(大気が)汚いところで走るのは嫌だ」といって出場を辞退した。有力選手の離脱が相次げば、56年ぶりの五輪開催も興醒めだろう。

※週刊ポスト2013年9月13日号

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