ビジネス

タクシー運転手 「1万円超の客が10%から20%になった!」

 安倍晋三首相は夏休み明けの記者会見で「順調に景気は上がってきている」と胸を張った。しかし、本当に景気はよくなったのか? “景気のリトマス試験紙”といわれるタクシーの運転手たちに緊急アンケートをとった。はたして利用者や売り上げなどに変化があるのか。

 売り上げが増えたかという質問について、「YES」と答えたのは34%と、3月に同様の調査を行ったときの24%を10%も上回った。一方「NO」と答えた割合は47%と半数近くを占めるものの、3月の調査結果72%よりも大きく改善された。

 実際、売り上げは増えているという証言もある。

「ウチのグループでは全車の売り上げが平均で3000~4000円ほど上がっている。実感はないけど、こう考えると景気がよくなっているのかも」(50代法人)

「ウチの会社では、出庫前には前年の同月・同日の運転手の平均売り上げが張り出される。それを見る限り、昨年よりも1日3000円ほど売り上げが増えています。月に12勤務をしているので、単純に1か月で3万6000円の売り上げ増。昨年より2万円ほど給料が上がっている計算ですね」(60代法人)

 タクシー業界では、長距離客を“滅多に出くわさない”ことから「オバケ」と呼ぶ。そのオバケに遭遇する機会が増えた人もいる。

「新宿の歌舞伎町から群馬までの超ロングのお客さんを拾い、一気に3万円稼ぎました。バブル時代を思い出した」(40代法人)

「1万円超のお客を拾う確率が10人に1人から、5人に1人になった」(40代法人)

「昨年の日収は3万~4万円だったが、7月に入って5万円台の日が増えた」(60代法人)

 ただ、この売り上げ増の背景には、別の要因が大きく絡んでいる。今夏、列島を襲った連日の猛暑、そしてゲリラ豪雨である。

「病院通いのお年寄りや買い物の主婦、営業周りのサラリーマンが猛暑に耐えきれず、乗車してくれるので昼間の稼ぎが増えた」(50代個人)

「湯島や浅草などお年寄りで賑わう都内の観光地は、客数も売り上げ単価も増えている。突然の大雨に慌てて乗り込んでくる」(60代法人)

 運転手が口を揃える“稼ぎ時”の夜の街はどうかというと、「週末は多少マシになったけど、平日は酷い有り様」(50代法人)というのがほとんどだった。

※週刊ポスト2013年9月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン