【書籍紹介】『「漢検事件」の真実』野田峯雄/第三書館/1470円
「漢検事件」といえば、漢字検定を実施する財団法人の前理事長とその息子である副理事長が背任容疑で逮捕された事件であり、その背景には受験者数の急増から生まれた巨額の利益があったからと思われがちである。
だが本書は、地道な取材をもとに事件は政・官・財界のみならず華道・茶道界等も絡んだ複雑な事件であることを暴く。〈京都にこびりついている「伝統」とは、言い換えれば、さまざまな権力闘争の残滓である〉。その裏側を徹底ルポ。
※週刊ポスト2013年11月1日号