国内

昆虫食にも食材偽装あり「中華料理店のカイコは蛾のサナギ」

 最近話題の「昆虫食」にも食材偽装?! 大人力コラムニストの石原壮一郎氏がモテる昆虫食のススメを説く。

 * * *
 このところ「昆虫食」が盛り上がっています。今年5月には国連食糧農業機関(FAO)が、将来の食糧危機に備えるためには、昆虫を新たな栄養源として検討すべきだという報告書を発表しました。「虫を食べる」と聞くと反射的に「ウゲッ」と思ってしまいますが、そういえば日本でもイナゴやハチノコは広く食べられているし、世界では約20億人が1900種以上の昆虫を食用にしていると言われています。

 もしかしたら「昆虫食に詳しいとモテる」という時代は、すぐそこまでやってきているのかもしれません。公園でセミを捕まえて料理して食べる「セミ会」など、あちこちで行なわれている昆虫食のイベントには、ごく普通の若い女性が押し寄せまくっているとか。

 これはムシできないということで、池袋のディープな中華料理店に行ったときに、メニューで見つけた「カイコ」の串焼きを注文してみました。ウズラの卵ぐらいの大きさのサナギが6匹(6個?)刺さっていて200円。外はカリッ中はジュワと、なんだかタコ焼きのような食感で、とくに強烈なニオイや苦みがあるわけではありません。珍味ではありましたが、驚くほど美味というほどでもなく「ま、こんなもんか」という感想でした。

 ところが、後日、衝撃の事実が! 昆虫を(食べる意味で)こよなく愛するフリーライターのムシモアゼルギリコさん(11月16日に昆虫食の入門書『むしくいノート』を上梓)によると、日本の中華料理店で出されている「カイコ」のサナギは、ほぼすべて「柞蚕(サククン)」というヤママユガ科の蛾のサナギだとか。

 こ、これは、今話題の食材偽装……!! ここで事実を暴露すると、中華料理屋の店主がズラリと並んで、記者のストロボの放列を受けながら「誤表示でした。ごめんなさい」と頭を下げることになるのでしょうか。ならないですね。べつにカイコでもサクサンでもどっちでもいいし、むしろカイコと名乗ってくれないと正体がイメージできません。

 勝負デートのときは「カイコ」が出てくるディープな中華料理店に彼女を誘って、さりげなく注文しましょう。「これは実は『サクサン』という蛾の一種で」とウンチクを披露しつつ、「でも、カイコと名乗ってくれたほうが親切だよね。ありがたいなあ」と感謝を示します。わかった上でウソを受け入れ、しかも感謝までしてしまうことで、大人の余裕や器の大きさがにじみ出て、「なんて素敵な人……」とウットリされること請け合い。出てきた「カイコ」にウットリしてくれるかどうかはわかりませんが。

 ほかの食材偽装の場合も、同じ手法を使うことで同じ効果があるかも。もちろんお客を騙すのはいけませんが(いちおうこう書きましたからね)、いちいち目くじら立てるより、大人力を見せつけるチャンスだと張り切るほうが建設的かと存じます。

 それはさておき、さらにいろんな昆虫食に詳しくなってモテたいと目論む方には、11月23日のお昼12時から東京・新宿のロフトプラスワンで行なわれる「東京虫食いフェスティバル★番外編」がオススメ。なんと当日は、近ごろ大注目の伊勢うどんと栄養たっぷりのハチノコがコラボした「虫のせ伊勢うどん」が登場するという噂もあります。

 いや、何を隠そう、「伊勢うどん大使」を務めさせてもらっている私が監修しました。相談を受けたときに「いいのかな……」と一瞬迷いましたが、ハチノコは日本の文化に根ざした伝統食。差別する理由はないし、どんなトッピングもどんな要望もやわらかく受け止めるのが伊勢うどんの身上です。おいしく召し上がっていただくことで、伊勢うどんの懐の深さを感じてもらいつつ、昆虫食への偏見が消え去ってくれることを願ってやみません。


関連記事

トピックス

幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン
食欲が落ちる夏にぴったり! キウイは“身近なスーパーフルーツ・キウイ”
《食欲が落ちる夏対策2025》“身近なスーパーフルーツ”キウイで「栄養」と「おいしさ」を気軽に足し算!【お手軽夏レシピも】
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン