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サラリーマンたちが「不苦労気分」で羽を休めて飲める角打ち

夜の池袋、梟の店で男たちは羽を休めて和んでいる

 まん丸い目をあけた白い巨大な梟が止まっているビルの1階に『たちのみや喜平』がある。頭部立体像とレリーフなのだが、「ただの梟じゃなくて、商売繁盛の縁起もので不苦労という名前なんですよ」と、主人の西塚哲郎さん(67)。

 22~23人が飲めるこの店は、昭和31年創業の業務用酒販店が始めた。

「立ち飲み屋をやろうという話になったのが20世紀最後の年の2000年。開店日をいつまでも忘れないようにとの理由で、赤穂浪士の討ち入りのあった12月14日にしたんです」

 そう言って笑う西塚さんは、開店時から同酒販店の社員としてこの店を仕切ってきたが、定年になると同時に主人(おやじ)として、この店の顔になった。

「設計もデザインも自分でほとんどやりました。カウンターを飲み安い高さの1mにしたり、ウイスキー樽を利用して同じ高さの丸テーブルにしたりとかね。このおでんの鍋だって、見てください。酒燗器を利用したんですよ。しゃれてるでしょ」

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