作品制作途中のdjow(デジョー)と8g(エイジ)の2人


 同社では「規模が小さいので、たくさんのことはできませんが、リサイクル素材を使った『ロゴアートコンテスト』をやったり、販促用マッチの裏面を若手アーティストの発表の場に提供したりしています」(東社長)というように、若いアーティストとの交流も多いというが、“会議室の壁”がキャンバスになるというケースはちょっと珍しい。

「面積としては、今までで最大だと思います。最初の打合せで“全てが、そこにある”イメージというお話があって、凝縮して行くと太陽から全てが生まれる――大地や草花、光……といった方向で、広大な農場で汗して働く人々を描きました。ミーティングスペースの凹凸を活かした形で描きたかったので、そうしたバランスを取るのが大変でしたね。

 スペースの大きな部分を占める、タバコ畑の葉っぱ……このモチーフだけで、8日のうち4日くらいかかったなぁ。パレットの丘もあって、脚立の設置も大変でしたねぇ。(笑い)でもこのオフィスに8日間居て、“素敵なオフィスだなぁ”と感じながら、楽しく描けましたよ」(djowさん)

 その葉の枚数だけでも約200――2人が描く姿を見ていた、東社長は語る。
「徹夜したりもしながら、描いていましたね。完成直後には、パレットの丘の上で2人ともノビていました。(笑い)私たち社員も制作過程を拝見しましたが、フリーハンドでどんどん描かれているのを見て、“こんなに描けたら、気持ちいいだろうなぁ”と思いつつ、出来上って行くプロセスにワクワクしましたねぇ。

 作品が完成してから、アメスピのファンの方々を招いたイベントを行なったんですが、みなさん『アメスピらしいね』と喜ばれて、写真を撮ったりしていました。でもこのエネルギーや光を感じる作品を一番喜んでいるのは、私自身かもしれません」

 冬の間は比較的イベントが少ないため、出番は多くないというが12月23日横浜の「濱Jam SPECIAL」で、ライブペイントを行なう予定だという2人に、今後描いてみたいキャンバスを聞いてみた。

「ジャンボジェット! 船! でかいビル!」

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