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無形文化遺産に選ばれた和食 ハンバーグ定食は含まれるのか

ハンバーグ定食は一汁三菜に近い形

 今年のニュースに「食」にまつわる話題は多かった。そこで食文化にまつわる今年の5大ニュースをまとめた。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 さて今年も食べ物のまわりでは、さまざまなニュースが飛び交いました。今年の「食」まわりのニュースをザクっと5つほど挙げておきたいと思います。総括すると今年は「食ブランド」「健康」「持続可能性」というキーワードがしっくり来るトレンドが多かった気がしますが、ともあれ前置きはこのくらいにして第一位から順に触れてまいりましょう。

■第1位 「和食」世界無形文化遺産に

 12月4日、「和食 日本人の伝統的な食文化」が世界無形文化遺産に登録されることが決定しました。米を中心とした「一汁三菜を基本とする和食」の定義などをめぐり、「ハンバーグなどの洋食はどうなのか」など国内でもさまざまな形で話題となっていますが、「無形文化遺産」というブランドを獲得したことで、健康的だという理由でも世界から注目される和食は今後どういう形でどう継承されていくのか。あらゆる意味で、今年を象徴する「食」のニュースでした。ちなみに提案書のなかには「これら(和食を構築する要素)の知識や技能は様々な文化の流入や技術的な発展などの社会環境の変化に応じて常に再構築されている」とあります。少なくともハンバーグ定食など、一汁三菜に近い形に昇華された洋食は含まれると考えるのが自然でしょう。

■第2位 あっちもこっちも食品偽装

 名門ホテルの食品偽装をきっかけに、全国各所、さまざまな飲食業態に飛び火した食品偽装問題。商慣習に加えて、飲食業において表示義務の法整備がされていなかったのも一因と言われていますが、「メロの煮付け」など正確に表記されると、それこそ和食文化の風情がぶち壊しになるのではないかという声もあり、透明性と安全性を担保しながら、どう食文化を残していくかという、ものすごい難問にぶち当たっております。それにしてもあの吉兆まで結着肉を使っていたとは、あまりの衝撃に「頭が真っ白になって」しまいそうでした。ちなみにメロは銀ムツの代用魚としてよく使われます。

■第3位 うなぎ絶滅の危機叫ばれる

 漁獲高が激減しているニホンウナギが2月、絶滅のおそれがある野生生物の状況をまとめた「レッドリスト」に指定されました。この50年で漁獲高が10分の1以下に激減し、養殖用の稚魚であるシラスウナギも不良。海外種に活路を求める業者の姿までもニュースになり、「そこまでしなくても」「しかしウナギは文化だ」などと、市井でもあちらこちらで侃々諤々。そんなさなか、今年の夏もうなぎ屋の店頭には長い行列ができておりました。

■第4位 コンビニグルメバトル

 サークルKサンクスの「淹れたてコーヒー」や、ローソンの「マチカフェ」などが地道に開拓してきたコンビニカフェ市場。その後、ファミリーマートが参入し、今年1月、セブン-イレブンも参戦すると一気に市場はヒートアップ。先日発表された日経MJのヒット商品番付でも「セブンカフェ」は東の横綱の座に座り、佐藤可士和デザインの什器もさまざまな形で話題に。その他、低糖質食や、ホットスナック、高級食パンなど各コンビニチェーンがあらゆるジャンルで激しく競い合った1年でした。

■第5位 熟成肉ブーム

 2013年は、たいへんに「熟成肉」がもてはやされた年でした。長くドライエイジングという熟成法に取り組んできた「中勢以」が飲食店舗も構えたのはともかく、ほかにもあちらこちらから「熟成肉はじめました」という声が聞こえてまいりました。「流通している赤身肉のほとんどが熟成させてから市場に出ているはずだ」などと不粋なことは言わずが華ということで。それにしても今年は、専門店以外も含めた飲食店の肉の調理レベルが一気に跳ね上がった1年だった気がします。

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