「女性らしく美しく年を重ねるのに“恋”は必要不可欠! ときめくことで、女性としての意識が上がり、女性ホルモンがUPするんです」と専門家は断言する。今回は今まで恋愛とは無縁の生活をしてきた35才の事務の女性が告白します。
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恋愛とは無縁だった私は、20代のうちにお見合い結婚をしました。昔から面白味がない女だと言われ続けていたので、恋はあきらめていたのです。夫も同じようなタイプで、夫婦生活は、子供をつくるための最低限の営みがある程度。会話は少なく、休日はお互いの部屋で別々に過ごしています。愛があるとはいえません。
私は普段、小さなソフトウエア会社で事務をしているのですが、「あの人、暗くてとっつきにくいよな」と陰口を言われたりします。せめて仕事は完璧にこなそうと、誰よりも早く出社して、掃除やお茶の準備をしていました。
半年ほど前、帰りがけに「母の誕生日プレゼント選びにつきあってもらえませんか?」と声をかけられました。中途採用で入社した5才年下のAさんでした。なぜ私なのかと不思議に思いましたが、社内に私しか女性がいないからということで、つきあうことに。その帰りに居酒屋へ行って話してみると、本や映画などの趣味が合い、意気投合。
ところが、男性と飲みに行った経験がほとんどない私は、うっかり飲みすぎてしまい、ウトウトと…。どれくらい寝ていたのか、気がつくと正面に座っていたはずのAさんが隣に寄り添ってくれていて、私は彼の肩にもたれていました。
しかも手を握られ、頭を撫でられています。驚いて飛び退くと、「嫌でした?」と心配そうな顔。そして、「実は、ずっとあなたのことを見ていました。初めは心配だったんです。要領のいい奴に私用まで頼まれているから…。そのうち、人一倍頑張るあなたのことを、好きになっていました」。それは初めてされた告白でした。「一緒にいられるだけでいい。またふたりで会ってくれますか?」。Aさんの真摯な態度に、私はうなずいていました。
それから時々ふたりで会っています。手を繋ぐだけの、学生のようなデートです。正直、Aさんに惹かれています。ですが夫を裏切ることもできません。もっと早く出会えていたら…。彼に会うたびにうれしさと切なさで胸がいっぱいになってしまいます。
※女性セブン2014年3月6日号