同氏は「『プラス』はお客様とSCEのつながりが継続することを狙ったものです。サービスに加入していれば、新しいハードが発売された時にもまた『ソニーのゲームが欲しい』と感じてくれますから」と語るが、単純計算で年間約5000円×300万台なら150億円の収入となる。
それとは別に『PS3』や(ポータブルの)『PS Vita』のユーザーにも加入者がいる(加入者の総数は非公表)。PS4で多くの新規加入者を得たことで、ビジネスモデルも変わっていきそうだ。
2013年10~12月(第3四半期)のゲーム分野の売上高は前年同期比65%増の4418億円、営業利益は同4倍となる180億円。わずか3か月の間でそれだけ稼ぎ出したのだから、確かに短期的に見れば、ゲームはエレキ部門の優等生と言える。
一方で、爆発的に大ヒットした2000年発売のPS2のあと、2006年発売のPS3は任天堂の『Wii』に台数で敗北を喫するなど、ゲーム業界は一寸先が読めない。そして開発投資は巨額だ。当連載で取り上げた任天堂もその後苦境に喘ぎ、2014年3月期で350億円の営業赤字を予想している(営業赤字は3期連続)。
「3本柱の1つ」とするために、ビジネスを安定的に成長させていく戦略は今後も求められる。
※SAPIO2014年5月号