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豪元外相 「中国のハワイ」海南省ホテルの食事や施設を酷評

 オーストラリアのトニー・アボット首相が中国海南省を訪問中の4月中旬、同国のボブ・カー前外相が1年前に海南省で宿泊したホテルについて、食事やジムなどの設備などが劣悪で「耐えられるものではなかった」と激しく不満を日記にぶちまけていたことが、このほど出版された「ボブ・カーの日記」と題する著作で公にされた。

 カー氏はアボット氏の政敵ともいえる関係。しかも、上海では豪政府主催の「チャイナ・ウィーク」記念イベントが開かれており、この時期の著作の出版は、アボット氏の対中交渉に水を差す意図があったのではないかとの観測が出ている。

 国営新華社電が伝えたところでは、カー氏は昨年4月、現職の豪外相として同省博鰲(ボアオ)で開催された「ボアオ・アジア・フォーラム」に出席。その際のホテルについて、「中国人の多くは海南省を『中国のハワイ』ともてはやしているが、同省での滞在は本当にひどいものだった」と日記にしたためていた。

 具体的には「ホテルで出された食事は化学調味料漬けで、食べられたものではなかった」と酷評。さらに、フィットネスルームについても「カビが生えており、マシーンが1台だけで、しかも故障していた」とさんざんにこき下ろしていた。

 ボアオフォーラムはアジア各国から主要な政治家や経済人らが集まり、経済問題を中心に討議する国際会議で、首相や主要閣僚がそろうアジア有数の場となっている。

 それだけに、現役の外相として会議に出席したカー氏としては、耐えられないほどの侮辱と映ったのだろうが、日記形式の著作を発表するのに、アボット首相が訪中するタイミングを狙ったかどうかは不明だ。

 豪首相府はアボット首相や会議にも出席したジュリー・ビショップ外相のコメントを拒否しているが、ある政府関係者は「カー氏がオーストラリア政府を代表しているわけではない」と話しているという。

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