ちょっとしたお返しやお礼にひと言メッセージが添えられている。小さなことだが、さりげない大人の女性の心遣いが見えて素敵。美しい手書きの文字ならなおさらだ。つい、メールですませてしまいがちだが、そんな今だからこそ、美しい字は目にとまるもの。気持ちも伝わると、手書きの良さも見直されている。
お礼状を送るときのポイントを、『現代礼法研究所』代表でマナーデザイナーの岩下宣子さんが解説する。
【お礼やお返しには一筆箋を添えて】
お礼状を書くときは、一筆箋やそえ文箋なら、細かいルールもなく気楽。縦書きだけでなく、横書きのものもあり、絵柄を選ぶのも楽しいもの。手紙の場合は、宛名は最後に書くのが正式ですが、一筆箋やそえ文箋は、最初に宛名を書きます。
【便箋は1枚だけでもOK。余分は入れません】
手紙は便箋を1枚添えて送るのが正式と思っている人もいますが、その1枚は、「お返事をくださるときに使ってください」の意味。お礼状などは特に入れる必要はなく、かえって相手に気を使わせるだけ。普通の便箋でも一筆箋でも、書いたものだけを封筒へ。
【封筒に入れるときの表に注意!】
ちょっと迷うのが、封筒に入れる際の一筆箋の表裏。和封筒の場合は、封筒の表側に一筆箋の表がくるように入れます。一方、洋式は表裏が逆。洋風封筒の場合は、封をあけたときに文面が見えるように入れます。なお、お札を金封に入れるときは、お札の表が上にくるようにして入れるのがマナーです。
【お礼や返却は3日以内に!】
いただきものやごちそうになったときは、できれば当日、遅くとも3日以内にお礼を。お礼の品物を贈るときは、1か月以内が目安ですが、その際にも、お礼状だけは3日以内に出すのがマナー。借りたお金や物も、3日以内を目安に、できるだけ早く返すことです。
【返却のときは水引やのしはつけません】
お祝やお中元、お歳暮に限らず、お見舞いやお礼、お詫びも、先方への贈り物ですから、品物を贈るときには、のし紙かリボンをかけます。しかし、返却物は贈り物ではありません。仰々しい包装もおかしいので、きれいな紙袋などに入れて返すのがいちばん。借りたお金を返すときの金封も、水引やのしのないタイプに。
※女性セブン2014年5月22日号