スポーツ

現代野球の守備「絶対正面で」「両手で大事に」の必要ない

 野球は日々進化している。詳しいと自任する人ほど勘違いしやすい「野球技術の基本」もある。たとえば、守備では「足を動かしてとにかくボールの正面で捕れ」といわれたものだが、現代の野球では少し事情が異なる。

 名手として知られる元ヤクルト・宮本慎也氏は、ボールが正面から飛んできたら、体をずらしてボールの右側に入るのが正解だと色々なところで話している。「正面伝説」の否定である。

 正面だと打球との距離感が計れないが、打球を右からはすに見て、捕る瞬間に正面に入る。そうすれば距離感もつかみやすいうえ、ステップもしやすく送球動作に入りやすいという。

 ゴロを逆シングルで捕ることも、昔は「横着だ」といわれたが、今では必要な技術として高校などでも教えられる。

 元巨人の名手・篠塚和典氏がいう。

「基本は正面で捕るのが望ましいが、ランナーの走力が上がってきたこともあって、投げるまでのスピードが要求されているのも事実。ショートが三遊間のゴロを捕る時などは逆シングルも有効と考える指導者が多い」

 また、かつては「カッコつけるな」と怒られたグラブトスやジャンピングスロー、ランニングスローも、高校球児の必須科目。野球のスピード化により、そうしなければ間に合わないからだ。

 これもいまだに間違った指導がそこかしこで行なわれている。両手を一緒に出してボールを捕ろうとすると、体が真正面を向いてしまい、上体の動きが固まってしまう。イレギュラーなどとっさの動きにも反応しづらい。片手で捕りに行ったほうがミスが少ない。

「特にフライを捕る際は片手がいい。両手で捕球しにいくと手が伸びないし、動きが制限される。ただし素早く投球動作に移るため、捕球後はすぐにもう一方の手を添えにいくべきです」(関西の名門高コーチ)

※週刊ポスト2014年6月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン