「特別養護老人ホームの待機者52万人」という状況の中、新たな選択肢としていま注目を集めているのが、サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」だ。現在その数は急増中で特養より入居しやすく、しかも有料老人ホームと違って格安な施設が多いのが魅力だ。
とはいえ、その格安さゆえに、入居者の多くが生活保護受給者というサ高住も急増している。それ自体は問題ではないが、なかには悪徳業者が紛れ込んでいるところがある。事業者は生活保護費をギリギリまで使わせるだけではなく、介護保険や医療保険を限度額まで使わせて暴利を貪っているという。
「特に大阪市の西成区では、アパートなどを改造したサ高住が増えている。家賃は大阪市の上限の4万2000円に設定し、生活保護費約8万円は食費や共益費などでむしり取る。これは役所からのカネだからとりっぱぐれがない。
その上、生活保護受給者は介護や医療が無料だから、同じグループの介護関連事業所で、不必要なサービスを目いっぱい組み込む。だから、より限度額が高い介護度4以上しか入れないサ高住もある」(関西の不動産業者)
サ高住ブームの負の側面である。
※週刊ポスト2014年6月20日号