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子供の連れ去り事件 夜道ではなく15時台に発生すること多い

 栃木県今市市(現・日光市)で2005年に発生した吉田有希ちゃん(享年7)殺害事件で、6月3日に逮捕された勝又拓哉容疑者(32才)は取り調べに対し、「幼い女の子に興味があった。数日前から1人で帰宅する女の子を探していた」と供述。自宅からは小児性愛を示す小児の画像が数多く見つかったと報じられた。

 子供に対する性犯罪は「声かけ」が入り口となる。『平成18年版 犯罪白書』によると13才未満の子供が被害者の性犯罪310件のうち、手口の半数以上が「被害者に対して最初に何らかの言葉をかける」だった。

 実際に今年1月、北海道札幌市で男が小学3年生の女児に「警察官だけど、ちょっと来て」と声をかけた連れ去り事件が発生。昨年12月には東京都武蔵野市で男が小学1年生の女児に「お父さんが事故にあった。病院に行こう」と声をかける連れ去り未遂事件があった。防犯研究を行うステップ総合研究所の清永奈穂所長はこう話す。

「連れ去り犯は相手の年齢に応じて巧みに声をかけます。標的が低年齢だったら警察という権威を使ったり、父親の事故という緊急時を装ったりする。『かわいい子猫がいるから一緒にミルクをあげよう』と優しく誘うこともあります。小学校高学年だと、『かわいいね。読者モデルにならない?』など、相手の功名心をくすぐる。いずれも振り込め詐欺と同様で、『今すぐ応じないとダメ』と迫って子供心を手玉に取る巧妙な手口です」

 しかも性犯罪者は、見知らぬ人間の声かけにも応じそうな従順な子供を選別する。

「ひとりきりでいる子、気が弱そうな子、ぼんやりしている子など、どこかにスキがあり、誘いを断れなさそうな女児が狙われます。確実にさらえそうな子供をターゲットにするんです」(前出・清永氏)

 連れ去り事件は夜道などの暗がりに紛れて発生するイメージがあるが、実態は大きく異なる。警視庁の発表によると、2013年に都内で発生した13才未満の年少者に対する性犯罪(強姦、強制わいせつ)の時間帯は午後2時~午後4時台に集中。とくに午後3時台がもっとも多かった。

「性犯罪者は学校の帰り道や塾の行き帰りなど、子供の規則的な行動パターンに目をつけます。明るい時間帯だからといって、決して安心できません」(前出・清永氏)

※女性セブン2014年7月10日号

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