ビジネス

コンビニ健康食品さらに隆盛  「糖質80%オフのパン」まで

コンビニでは「健康」がキーワード

  コンビニエンス・ストアで健康路線を打ち出した商品が急激に増えている。進撃のローソン、追うセブン、独自路線のファミマ。食文化に詳しい編集ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 いまから半年ちょっと前、2013年12月に「ローソンVSセブン ダイエット効果を謳う低糖質食品でバトル」という記事を書いた。現在、快進撃を続けるローソンの低糖質パン「ブランパン」の認知がじわじわと進みブレイクし始め、そしてセブン―イレブンの「サラダチキン」が爆発的な人気で製造が追いつかなくなり、一時的に製造が止まった頃だった。

 それから7か月、各コンビニの健康志向に拍車がかかっている。先鞭をつけたローソンは、ブランパンシリーズをこの5月にリニューアル。米ふすまを加え、看板商品のブランパン1個あたりの糖質を3.4g→2.2gと35%オフ。一般的なロールパンと比較すると84.3%オフという低糖質っぷりだ。ラインナップも強化された。ブレッドタイプの「ブランブレッド」「ほろにがショコラ&ホイップブラン」「ブランのトマトカレーパン」などタイプ違いで全8種類。店頭でもブランパンのコーナーは目に見えて拡大されている。さらに、これまで都市部の一部店舗以外であまり見ることのなかった(注文すれば入荷してもらえたらしい)ブランサンドを店頭で見かける機会も増えた。

 さらにこの夏、ローソンの冷凍庫に並んだのが「80kcal」とパッケージに大きくデザインされたカロリーコントロールアイスシリーズ。昨年も店頭に並んでいたバータイプのチョコ&クランチバーのほか、今年はカップ型3種にモナカ型3種がリニューアルされ、ジェラート型2種が加わった。しかもいずれも糖質50~30%オフ。デザートシリーズの「UchicaféSWEETS 2014年夏コレクション」もすべて170kcal以下と、盤石の健康シフトだ。

 昨年、「サラダチキン」が爆発的な人気を博したセブン―イレブンも、周辺のアイテムを充実させた。袋タイプのカット野菜シリーズに「10品目の彩りミックス」「シャキシャキロメインレタスサラダ」などプレミアムラインとも言える「食卓サラダ」シリーズが加わり、全8種類に。サラダ全タイプを合計すると30種を超える大充実のラインナップだ。

 そのほか「生きて腸まで届く乳酸菌入りのむヨーグルト」シリーズ5種と、アイスミルクの「生きた乳酸菌が入ったアイス」など、やはり健康を意識したアイテムに注力。さらにオリジナルブランドのパンについては、健康リスクについて物議を醸すトランス脂肪酸を2005年比で十二分の一にまで低減している。

 “3強”の一角であるファミリーマートは、この4月、新宿区にコンビニエンスストアと調剤薬局との一体型店舗をオープンさせた。近隣にある病院の調剤薬局としての機能も果たしながら、通院客などに向けて栄養調整食品ややわらか食など健康食品のランナップを強化するという。

 ドラッグストアとの提携は、セブン―イレブンやローソンも進めていく予定となっている。商品開発超高齢化社会を迎える日本の日常を支えるコンビニに、もはや「健康」というキーワードは不可欠なものとなっている。

関連記事

トピックス

民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン