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中国で発生の連続切り取り事件 世の男性を戦慄させた犯人は 

 想像するだけでもおぞましい事件が発生していた。中国の情勢に詳しい拓殖大学教授・富坂聰氏が報告する。

 * * *
 奇怪な事件に慣れている中国でも、とりわけ「痛い」事件が起きたのは、2014年7月22日のことである。現場となった中国東北部のある老人ホームを襲った惨劇を報じたニュースに、中国の男性はみな震えたという。

 事件の概要を伝えた中国新聞ネット上に残された記事(2014年7月24日)のタイトルには驚くべき文字が並んでいる。

〈黒竜江省緩化市青岡県にある老人ホームで4人の老人から6つの睾丸が切り取られる事件が起きた〉

 ことが発覚したのは23日の午後三時ごろ。問題となった禎祥院敬老院を巡回していた院長が、老人たちのベッド大量の出血の跡があることを不審に思い調べたところ、三人の男性老人の睾丸が切り取られていることが分かったというのだ。

〈院長はすぐに120番(救急隊)に連絡。詳しく調べたところ一人の男性が二つの睾丸を、二人の老人がそれぞれ一つずつ睾丸を切り取られていたことが分かった。病院では止血などの処置を施し、22時になってやっとハルビン医科大学へと搬送され治療を受けることができたのだった。〉(中国新聞ネット)

 だが、事件はこれで終わらなかった。

〈24日午後五時、新たに1人の老人が二つの睾丸を切り取られていることが分かった。〉(同前)

 現地の青岡県が党組織や公安を中心に大騒ぎになったことは言うまでもないが、事件はテレビの全国ニュースでも大きく扱われたため、中国社会が犯人の逮捕を固唾を飲んで見守ることとなったのだった。

 これに対する回答は26日付の人民ネットにある。記事のタイトルには、犯人と思しき男が〈睾丸切り取りは本人の同意を得てやったと話している〉と、とぼけた表現がされているのだが、事件発生から約15時間で逮捕された容疑者は知的障害を抱えていた。

 また、動機については「飲み過ぎていた」、「むしゃくしゃして刺激を求めていた」とも語っているという。

 いずれにせよ全国を巻き込んだ珍事件は解決に向かったが、人民ネットの記事では、〈なぜ、むしゃくしゃすると睾丸を狙うのか? なぜ老人ホームを標的にしたのか? が不明なままだ〉と指摘するが、はたして納得いく説明など得られるだろうか。

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