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2014.08.29 07:00 週刊ポスト
スポーツで起こる脳震盪 命の危険回避に専門家の診察不可欠
脳は硬い頭蓋骨に守られているが、脳そのものはビニール袋のようなものに包まれ水に浮いている状態で柔らかい。脳細胞は脳の表面に集まり、中心部には生命維持に関わる脳幹があり、その間をケーブルのように神経が繋いでいる。
脳はあるスピードでゆすられると、頭蓋骨と脳の揺れ方にひずみが生じ、脳の深い部分のケーブルが損傷される。スノーボードで後ろ向きに倒れる、ボクシングでパンチを受ける、柔道の大外刈りで投げられる、ラグビーでタックルされるといったことで、脳が激しくゆすられ、ダメージを受けるのが脳震盪(のうしんとう)だ。
東京慈恵会医科大学病院脳神経外科の谷諭教授に話を聞いた。
「脳震盪の症状は失神だと思っている方が多いのですが、それだけではありません。脳震盪の前後のことを忘れる健忘や時間や方向感覚、認識力などが失われる失見当識(しつけんとうしき)といった認知機能障害、平衡感覚の失調、頭痛やめまい、物が二重に見えるといった症状も起こります。症状は短時間で消失することが多いのですが、脳震盪を起こしたらスポーツを中断し、専門家の診察を受けることが不可欠です」
脳震盪後、著しい症状は消失しても頭痛が続いている場合は注意が必要だ。脳と硬膜を繋いでいる血管から出血している可能性があり、また出血していても量が少ないためCTスキャンでも発見されないことがあるからだ。頭痛のままスポーツを再開し、再び脳震盪を起こすと命に関わる。以前に出血した血管の瘡蓋(かさぶた)がとれて出血し、急性硬膜下血腫を起こし、さらに脳が腫れて死に至る。
頭痛がある2回目の脳震盪による死亡率は30~50%と高い。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2014年9月5日号
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