しかし、ルール変更には高い壁が立ち塞がっている。神和住氏が続ける。
「男子プロテニス協会(ATP)の国際会議では、時間短縮のやり方が議論されたり、ラリーが続くようにボールを柔らかくしようとか、ネットを高くしようなど、いろいろな話し合いが行われてきましたが、歴史ある協会ゆえに保守派も多く、1つのルールを変えるのも容易なことではありません」
選手には気の毒だが、しばらくは長丁場の“死闘”を見届けるしかなさそうだ。さて、錦織はどこまで体力を回復させることができるか。準決勝の相手は世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に決まった。
「錦織はこれまで課題だったフィジカル面をかなり強化して、5セットを戦い抜く強靭な精神力も身につけています。その自信を持続させたまま世界チャンピオンと堂々と戦い、なんとか決勝に行ってほしいですね」(神和住氏)
グランドスラムすべてで16強入りを果たしている錦織。あとは満面の笑みで優勝杯を高々と掲げるだけだ。