LINEスタンプ発売当初から創作したスタンプが人気を集め、その後、会社員を辞めた森もり子さん(26才)。コミックエッセイ『返事をくれない彼氏を追い込んでいます』(KADOKAWA/メディアファクトリー刊)を出版し、華麗なる人気クリエーターに転身を果たした森さんを直撃しました。
彼氏のことが好きすぎて、返事をくれないことについイラッとして、「既読じゃん」「返事マダ?」と送ってしまうOL。彼氏大好きな女子じゃなくても、思わず共感してしまいたくなる『もっと私にかまってよ!』は、森さんの実体験が元になっている。
「実際の自分もあんな感じで“かまってちゃん”なんです。自分と会っていないとき、好きな人が何しているのか気になって、“誰といるの?”“何してるの?”と思ってしまう。それをスタンプにできたら面白いかなと思って考案しました」(森さん・以下「」内同)
森さんがスタンプ作りに着手したのは、LINEクリエーターズスタンプ募集の発表があった今年の2月。
「今まで友達とLINEでやりとりするとき、“こんなスタンプがあったら便利なのに”って思うことが多かったんです。だから、自分で作るなら、やっぱり便利なものが作りたかった。そこで、“恋愛かまってちゃん”のキャラを作って、普段、自分がつぶやいたり、考えていることをスタンプにしました」
コンセプトは「返事をくれない彼を追い込む」だが、それだけでは不充分だと考えた。
「やはりスタンプですから、幅広い人に使ってもらわないとダメ。だったら、言葉を入れないで、真顔や、爆笑しているようなシーンを描いて汎用性のあるものにしようと思いました。彼を追い込むような内容は、全体の4分の1に抑えて、あとは誰とでも使える“YES”“NO”なども加えてみたんです」
彼を追い込むという斬新な発想で、森さんのスタンプはクリエーターズスタンプ販売開始初日から人気1位に。
「始めた頃はまだ数百種類しかスタンプがなかったので、選んでもらいやすかったんだと思います。発売後、6~7社の出版社から“本にしませんか?”というオファーが来ました。それで、11月に2冊、コミックエッセイを出すことになったんです」
LINEスタンプを作ったことで森さんの人生は大きく変わった。
「本の話が来てからは、この作業に専念しようと思い、勤めていた会社を辞めました。今はコミックを描くことがメインですが、これもいつまで続くかわからない。絵を描くのは子供の頃から好きだけど、だからといって漫画家やイラストレーターになれると思わない。この先、どうなるかはわかりませんね」
現在は神奈川県で一人暮らし。故郷の両親は森さんがLINEスタンプで稼いでいることを知らないそうだ。
「だって恥ずかしいじゃないですか。会社を辞めたことは言いましたが、親も“あ、そう”という感じで、それ以上は追及してきませんでした」
ちなみに森さん、顔を掲載するのはNGだが、見た目は今ドキの26才といった顔立ち。そしてやっぱり聞いちゃったのが、“LINEスタンプでどれぐらい稼ぎました?”という質問。
「発売開始から3か月で、売り上げは手取りで800万円ぐらいでしょうか」
う~む、やっぱりLINEスタンプ、恐るべし。
※女性セブン2014年11月20日号