つらい時には、友達よりも誰よりも親が頼りになるもの。今回は、ママ友いじめに悩む34才・主婦に母がかけてくれた「救われた」と振り返る言葉を紹介しよう。
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主人の転勤で、地元福岡から、知り合いのいない埼玉へ引っ越すことになりましたが、すぐにママ友ができ、楽しく過ごしていました。
ところが、引越しから2年、社宅を出て一戸建てを建てた時のことでした。突然、ママ友たちから無視されるようになったのです。
噂では、ママ友のリーダーであるAさんが私について、「新居を建ててから、社宅暮らしのママ友をバカにしてる」と言いふらしているとのことでした。もちろん、そんなことはしていません。それなのに、挨拶をしても誰も返してくれなくなり、公園に行っても、子供と遊ばせてもらえなくなりました。夫に相談しても、取り合ってくれません。ママ友との関係が私の世界のすべて。眠れない毎日が続いたのです。
そんなある日、母が福岡から上京しました。私を見るとすぐ、「なにかあった?」と聞いてくれました。母は、認知症の父の介護で忙しかったため、私は心配かけまいと、なにも話していませんでした。
母にすべてを話すと、「よかったじゃない」と一言。私が呆気にとられていると、
「そんな人なら早く切れてよかったじゃない。貴重な時間を取られないで済んだのよ。他人なんて、たいしてあなたのこと考えてないんだから、あっちもそのうちいじめに飽きるでしょう。あなたには、何があっても味方でいる家族がいるから大丈夫!」
と、母は豪快に笑うのでした。
若い頃は同居の姑にいびられ、その苦労がなくなったら夫の介護に追われた母。私よりもはるかにつらい思いをしたことでしょう。そんな母の言葉には力がありました。私の悩みは驚くほどちっぽけなものに感じられたのです。
無視されても気にする必要なんかない。すると、不思議なことに、自然とまた別の友達ができるようになりました。気持ちに区切りをつけさせてくれた母には今でも本当に感謝しています。
※女性セブン2015年3月5日号