毎週ごとにキットパーツを発売して完成品を作る「週刊○○」でお馴染みのデアゴスティーニが、ネタが枯渇したとして、アイデアを公募して話題になっている。自分の弱みをさらけ出す潔さ。大人力コラムニスト・石原壮一郎がとっておきのアイデアを披露する。
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最後まで買い続けたかどうかはさておき、誰しも一度や二度はお買い得な創刊号を手に取ったことがあるのではないでしょうか。1901年にイタリアで創業し、1988年に日本に上陸したデアゴスティーニ。映画やドラマ、車やロボットなど、次々と週刊「○○」シリーズを世に送り出しています。
今年に入ってから刊行がスタートしたものだけでも、映画版クレヨンしんちゃんDVDコレクションやジッポーコレクション、何かと話題のドローンや3Dプリンターが作れるものなど、全部で6シリーズ。前々から「よくネタが尽きないものだ」と思っていたら……やっぱり尽きそうになっているようです。
13日、同社は「週刊『○○』アイデアマン募集!」の公募キャンペーンを実施すると発表しました。賞金総額は100万円。同社のサイトから商品コンセプトを108文字以内にまとめて送ればいいだけで、ひとり何件でも応募可能です。締め切りは7月20日。
知恵を絞って賞金をゲットしたいところですが、それは時の運もあるとして、まずはこういうキャンペーンをしてしまえる同社の姿勢から、大人の開き直り力やSOSを発信する大切さを学ばせてもらいましょう。
サイトには「日々アイデア出しに奮闘するデアゴスティーニ社員の実態」と題した動画が公開されています。アイデアを出すために社員たちがピーナッツや小魚を食べまくったり神頼みに走ったり……といった悲壮感漂う場面も。ま、それはお遊びのフィクションですが、素直に拍手を送りたいのが「2015年 アイデアが枯渇」というテロップを映し出しつつ堂々と「アイデアに行き詰まる」と言ってしまっているところ。
アイデアで勝負している会社が「もうアイデアが出てきません」と弱音を吐いて助けを求めるというのは、できそうでなかなかできません。個人の場合も、「もう無理……」と弱みを見せたり周囲を頼ったりするのは、勇気がいる行為と言えるでしょう。しかし、半端な見栄や強がりは、事態をますます悪化させる原因にしかならないのが常です。