ビジネス

ANA対JALの「2017年問題」 スカイマーク支援メドで明らかに

スカイマークの再生で空の利便性は高まるか

 民事再生手続き中のスカイマークをどこが救うのか――。当サイトでも度々報じてきたが、難航していた支援先企業の顔ぶれがようやく明らかになった。

 総額180億円といわれる出資枠の内訳は、すでにスカイマークとスポンサー契約を結んでいる投資ファンドのインテグラルが50.1%を出資し、残りをANAが16.5%、日本政策投資銀行と三井住友銀行の金融機関が33.4%の株式を保有することで決着しそうだ。

「かねてよりスカイマーク支援の大本命と見られていたANAの出資比率は低いものの、3分の1強を出資する2行はいずれもANAの取引銀行。しかも、新生スカイマークの経営陣にANA側から社長を送り込む約束を取り付けたことを考えると、実質的にANAの支配下に置かれたのと同じ」(全国紙記者)

 ある航空業界関係者は、「結局、スカイマークの再建話というよりは、ANAの“天下取り”が進むだけ」と、今後の展望に冷ややかな見方をする。

 ANAは過去に経営難に陥ったエア・ドゥ、スカイネットアジア航空、スターフライヤーの3社にも資本を入れているうえ、唯一、独立経営を貫いてきたスカイマークを系列に加えることで、「国内線シェアを独占することができる」(前出の記者)というわけだ。

 瀕死に陥っていたスカイマークの支援に多数の企業が名乗りを挙げていたのは、1発着枠で年間20~30億円の儲けが出るといわれる“ドル箱路線”を保持していたからだ。航空経営研究所の赤井奉久氏がいう。

「スカイマークは『羽田―福岡』『羽田―札幌』という日本で一番太い線を持っています。そこにANAが共同運航の形で便数を増やすことができれば、羽田のシェアは現在の5割強から7割近くまで高まることになるのです」

 こうしたANAの独占支配にはインテグラルの佐山展生代表も危機感を募らせ、当初から「航空会社の支援は必ずしも必要ではない」との考えを示していた。自身のツイッターなどでも〈一般に“支援”とは受ける側がうれしいことをして初めて“支援”となる〉、〈取って食おうというのではない支援が本当の支援〉と発言し、ANAの経営参画には否定的だった。

 それが一転して支援を受け入れることになったのはなぜか。

「スカイマークは大型航空機の納入キャンセルにより、エアバスから1000億円に近い賠償金の請求を受けている。まずは航空機のリース会社など大口の債権者との間で『過去の清算』ができなければリスタートが切れない。そこで、エアバスや債権者と関係の深いANAが支援に乗り出すことで、債務をできるだけ少なく抑える交渉がしやすくなる」(前出・記者)

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン