心理学が専門の東北大学・坂井信之准教授


「多くのご家庭では、日用品や衣類に何を選ぶかを奥様に任せっ放しでしょうから、黙って“臭い対策のシャンプーや下着に、買い替えてしまう”のも良いと思います。もっとセンシティブに対応するなら、いつものシャンプー容器の中身だけ詰め替えて、本人はいつも通りのつもりでも、対策ができる――というパターンも有効ですね」

 家族が臭わないから、「自分も同じシャンプーやボディソープで問題ない」というのは、臭い対策の初歩的なミス。例えば、シャンプーについて、都内の美容室で働く男性美容師は「女性が“髪に良い”と使っているものは、あくまでも女性向けで、潤いを与える成分が多いため、男性には油分が多くて皮脂が詰まりやすくなるなど、逆効果な場合もあるんです。だから男性のお客様には、市販のものでも男性用アイテムを選ぶように、アドバイスしています」と語る。

 また、シャンプー以外でも、臭いの原因物質は年齢によって変化するため、汗臭がメインの息子と、ミドル脂臭がメインの中年男性では適したボディソープが異なることもある。だからこそ、その世代の臭い対策に最適なアイテムを使うことが大事だという。

「効果が出たら、そのままにしないで『実はね、ちょっと臭いが気になっていた』と打ち明けて、どんな対策をしたのか、本人にフィードバックしてください。問題が解消された後であれば、本人も受け入れやすいですし、継続して臭いに気をつける意識が生まれます。

 傷つけないよう、いつの間にか“やってくれていた”というのは、相手の気遣いが感じられますし、拗ねたり、不機嫌になったりは、なりにくいやり方だと思いますよ」(前出・坂井准教授)

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