果たしてマックに秘策はあるのか。前出の重盛氏は「振り切った店舗改革をしてみてもいいのでは?」と、こんな提案をする。
「たとえば、新宿や渋谷のように同一地域にたくさんの店舗がある場所では、1か所だけ喫煙可能な店を復活させて『何時間でも居てください』とアピールすれば多くの愛煙家が戻ってくるはずです。
また、カサノバ社長は社会貢献や地域コミュニティーの重要性を掲げているのですから、いっそのことお母さんの喜ぶビジネスモデルを突き詰めてみるのも手だと思います。
駅前の好立地にある店舗を託児所や放課後児童所に変えて、ハンバーガーも売るようなスタイルにすれば、働く女性のニーズを汲み取ることだってできます」(重盛氏)
折しもマックは、2015年中に131店舗の閉鎖を決め、今後4年間で約2000店を改装する大規模な改革プランを打ち出している。地域のFC(フランチャイズ)に権限を委譲する「地域本部制度」も復活させているため、柔軟な発想転換ひとつで地域との繋がりを深められるというわけだ。
マクドナルドの未来は、消費者の嗜好変化や時代のニーズにどこまで敏感に応えることができるかにかかっている。