しかし、“何をどうすれば動くのか?”“どこまで改変しても、動作に影響がないか?”など、構造や仕組みを理解・把握しないと難しいと思われる部分に、臆することなく手が動く様子には、頼もしい雰囲気を感じさせる。こうしたことからもロボット作りと、「21世紀型」教育が求める要素の親和性は、高いといえそうだ。
直近、at.Fabでの同ワークショップは8月22日(土)の予定だが、既に開催告知前から多くの問い合わせが寄せられているという。同所を運営する濱中直樹さんは、公共施設や住宅などを設計する建築士だが、本職と並行してデジタル・ファブリケーションの工房を持ちたいと考え、適したロケーションを求めて長年事務所を構えていた四谷から、都営浅草線・東急大井町線の中延駅からほど近いスペースへ移転した。
「この工房は“たのしいくらしをつくる。”をキャッチフレーズにしています。“モノ作り”自体も楽しいし、自分で作ったモノを“使って暮らす”楽しさもあります。また、普段の生活の中でモノ作りを楽しんでもらいたい――そのため工房を開くにあたっては、路面で気軽に入れることや暮らしに密着した場所にしたいと考えていました。
このワークショップで作るのは『ファブボット』で、暮らしに直接関わるものに感じられないかもしれませんが、マイコンを積んでいるのでさまざまなセンサーを活用でき、モノ作りの基礎をあれこれ体験できます。普段から窓辺に置いているのですが、動いていなくてもロボットだとわかるようで、お子さま連れの方など声をかけられることも多くなりました。先入観なしに興味を持ってもらえるのは嬉しいですね。
ロボット作りというと難しく思われるかもしれませんが、日本国内でもアフタースクールの教材として、採用されるケースも増えてきました。最年少だと小学一年生から、取り組んでいる例もあります。最近注目を浴びているScience・Technology・Engineering・Mathematicsの4分野に注力するSTEMや、Artを加えたSTEAMといった教育プログラムのひとつとして、こうしたものに子供たちが触れる機会は、今後ますます増えていくと思います」(濱中さん)