中国が沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)の主権をめぐって山東省の威海湾岸にある劉公島に、「釣魚島主権館」を建設したことが分かった。尖閣諸島に近い福建省や浙江省では尖閣諸島の写真や資料などの展示会を行っているが、記念館の建設は初めて。抗日戦争勝利70周年の一連の記念行事の一つで、尖閣諸島が中国領であることをアピールする活動が活発化しそうだ。
劉公島は日清戦争(1894~1895年)の激戦地で、かつての清朝の海軍基地である北洋水師海軍提督署が置かれていた。このため、同島に「中国甲午戦争(日清戦争)記念館」があるなど「反日」のシンボル的島でもあり、釣魚島主権館が建設されたという経緯がある。
同館は9月7日午前にオープンのセレモニーが行われ、中国軍関係者や国家海洋局、山東省政府の関係者らが出席し、「釣魚島は中国領」などとのシュプレヒコールが上がった。今後は中国各地のメディアの取材の予定が目白押しで、反日拠点のひとつになりそうだ。
とくに、尖閣諸島への監視活動を繰り返して国家海洋局が同館の開館に力を入れており、同諸島の地図や古くからの資料などを多数提供している。
国家海洋局幹部は中国メディアの取材に応じて、「記念館を建設したのは、釣魚島が中国領であるとの歴史を明らかにして、主権の尊厳を守るためだ。中国の領土は非常に広いが、寸土たりとも他の国に渡してはならない」などと強調していた。
ネット上では、広東省や山東省、福建省、北京、上海など中国全土から3000以上の書き込みが寄せられ、「記念館を作るのは大変有意義だ」「国家主権を断固として守ることを絶対に支持する」「愛国愛島」「釣魚島は中国の領土だ」などと主張している。