小力:「サプライズなので、隠れていてほしい」と要望があったんですけど、隠れる場所を用意してくれていないことがありました。会場は居酒屋さんで、行ってみたらテーブルが並んでる一角を押さえているだけだったんです。「好きなもの頼んでください」って。めちゃくちゃなことがありました(苦笑)。
結婚式に呼ばれると、新郎新婦にお祝いするつもりで行っているんですけど、新郎新婦のお色直しのタイミングでやることがあります。一番お祝いしてあげたい新郎新婦がいないんです。それから、田舎だとここぞとばかりに大きな会場を借りる人が多くて、ステージから一番遠いところに新郎新婦がいて、新郎新婦はこっちが見えないとか(笑い)。
――ネタ中とかネタのあとにも、ハプニングがありそうですね。
小力:ネタのあとに、新郎新婦の間に入って記念写真を撮ることが多いんです。ぼくは20分くらいネタをやってますから、汗びっしょりなんです。写真撮影の時に、新婦さんがボソッと言うのが、「あ、ドレスに汗」って(笑い)。高いお金でレンタルしたドレスにシミができるんでしょうね。みんな喜んでくれて、ギュッと来るんですけど、「ドレスが汚れますよ」って先に言うようにしています。
男性の場合はネタ中に、宴会部長のような人がプロレスのノリで入ってくるんですけど、だいたい何もできないで席に戻ります(笑い)。あと、親戚のおじさんで酔っ払いすぎている人が、合間合間に声を入れてくるんですよ。「もっと面白い事やれ!」って。逆に言うと、そういう人をうまく扱えると、場の雰囲気がいい方向に変わるんです。
――うまく扱うコツは?
小力:適当に「エヘヘ」とやっているとダメで、言い返すんです。ぼくの場合だと、「もっと面白い事やれ!」って言われると、「じゃ、オメーがやれ!」と言い返すと、みんなで笑えるんです。「ヤベ、キレたんじゃないですか?」とかフォローを入れたりして(笑い)。
すると結果的には、親戚でちょっとやっかいな酔っ払いすぎてるおじさんが、あとで一番、ちゃんとお礼を言いに来るんです。やっぱり自分の甥っ子とか姪っ子の結婚式だから、嬉しすぎて飲んじゃうので。そこを盛り上げてくれたから、「本当にありがとう」って。
――小力さんご自身の結婚式は、いつですか?
小力:彼女が全然できないんですよ。婚活はしてるんです、合コンも行くし。女性と2人きりでご飯に行ったりするんですけど、その先に進まなくて(苦笑)。理想の妻は、家庭をしっかり守ってくれて、ぼくを褒めながら、たまに叱ってくれる人がいいです。早く素敵な家庭を持ちたいです。本当は他人のお祝いしてる場合じゃないんですよ(笑い)。
【長州小力】
1972年2月5日産まれ。東京出身。スーツ姿での漫談、5人組コントユニットを経て、お笑いプロレス団体の西口プロレスのメンバーとなり、長州小力として活動を開始。2005年、長州力のものまねでパラパラを踊る芸でブレイク。『小力の小部屋』(マシェリバラエティなど)にレギュラー出演中。