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お寺のお布施 寺掃除ツアーで10万円や毎月の念仏で1万円等

 お彼岸のこの季節。先祖を偲ぶためにお寺に足を運ぶこともあるだろうが、そこで忘れてはならないのが、お布施。3000~1万円が相場といわれているが、お寺によって異なるので注意が必要だ。お彼岸の時期に限らず、近年、このお布施を巡るトラブルが増加している。都内に住む公務員・A子さん(58才)は、義理の母が心配で仕方がない。

「義理の母がお寺に多額のお布施をしています。全国的に有名なお寺に行って、掃除をしてきれいにするというツアーが頻繁に催されて、1回10万円とか結構な額の参加費を支払っています。自分が寺とあんまりおつきあいがないからかもしれないけど、巻き上げられているような気がして、どうすればいいのか…」

 兵庫県在住の主婦(62才)も、「お布施が高すぎる…」と肩を落とす。

「義理の両親の代からのつきあいで、毎月お寺の住職が来て仏壇の前で簡単に念仏を唱えてくれて、その度に1万円渡しています。年金生活で余裕がないので厳しいけれど、お金の話はできなくて…」

 こじれると、お寺との信頼関係がなくなり、大きな問題になりかねない。どう解決すればいいのか。葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子さんは、「お布施はできる範囲で大丈夫」ときっぱり言い切る。

「もともと、お布施を渡してお寺を支えるのは檀家の義務ですが、最近では、お布施=労働や物への対価と考え、“これだけしてもらったから、○○円支払う”と考える人が増えています。お寺側も“10万円以上は包んでいただきたい”というようなことを言うところもあるようですが、お布施は最大限の気持ちを金銭で表すものなので、あくまでもできる範囲で大丈夫です。

 高額だと思った場合は、“今、私たちはこういう状況だから、精いっぱいできるのはここまでです”“そのかわり別の機会でお支えします”と事情と気持ちをきちんと話してみるのがいいですね」(吉川さん、以下「」内同)

 お寺とのトラブルの種はそれだけではない。少子高齢化で実家を離れて暮らす人も多い現在、葬儀の多様化とともに墓に対する価値観も大きく変化し、墓を持たない人もいれば、共同納骨堂に納める人もいる。墓参りの代行サービスやネットで墓参りもできる墓もある。そんななか、「実家が遠くて墓参りに行けない」「子供に墓の管理費で迷惑をかけたくない」と墓を撤去したり処分する“墓じまい”や墓の移動をする人も増加している。だが、手順を間違うと、寺とのトラブルにもなりかねない。

「お寺はマンションの管理人のように、お墓を管理しているわけではなく、お墓参りに来られない人の代わりにずっとお守りをしているという気持ちがある。だから、移動先のお墓を決めてから突然、お寺に “移動の手続きをしてほしい”と伝えるとトラブルになりやすい。“ご先祖はそこに行きたくないと思う”と遺骨の移動を引き止められたり、離檀料と称されるお布施を高額に要求されるなどのケースが実際に起こっています」

 では、どんな手順を踏んだらいいのか。

「現在お世話になっているお寺には、まず、“お墓を守っていくのが難しいので、もしかしたらお墓を閉じるかもしれません。そのときはよろしくお願いします”などと、“仮に”という前提で相談してみましょう」

※女性セブン2015年10月1日号

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