こう聞けば、ますます今年のボジョレーには期待大だが、巷のワイン人気には異変も起きている。
「ボジョレー人気もあって、ワインといえばフランス産のイメージが強いですが、最近、ウチの店では『チリ産』の低価格ワインのほうが人気がありますよ。
チリは年間降水量が日本より少ないものの、湿度による病害を心配する必要がないうえ、昼夜の寒暖差が激しく、ぶどうの栽培には適しています。また、人件費がヨーロッパに比べて安いため、低いコストでフランス産ワインを凌ぐ良質なワインができるのです」(都内の酒小売店主)
国税庁による国別輸入数量でも、チリワインの「台頭」は明らかだ。2014年に4万kl(キロリットル)台を突破したチリワインは、2013年時点でフランスワインと2万klあった差をわずか1年で半分以下に縮めた。輸入ワイン全体に占める構成比も、フランス約29%に次ぎ、チリは約24%と肉薄している。
このままいくと、伝統あるボジョレー産ワインが“チリ・ヌーボー祭り”に取って代わられるかもしれない。