もちろん、誰にでも位階が与えられるわけではない。叙位は叙勲と密接に関係し、生前に叙勲を受けた者が叙位を受けるケースが多い。ただし、叙勲に相当する功績があるのに授与されないまま亡くなったケースでも、死亡時に叙勲と叙位が同時になされることもある(特別叙勲、特旨叙位と呼ぶ)。
防衛省の通達「叙位及び叙勲の取扱いについて」によると、叙位の上申基準は、文官なら「行政職俸給表5級」(本省課長補佐クラス)以上、制服組は「三尉」以上の者が在職中や退職後に死亡した場合とされ、それ以下の役職・階級は「勤続35年以上」などの条件が必要になる。日本叙勲者顕彰協会では、
「位階は叙勲の勲等の1段階下で、勲三等なら正四位か従四位、勲四等なら正五位か従五位が目安のようです」
と説明する。
【プロフィール】武冨薫(たけとみかおる):1960年福岡県生まれ。永田町、霞が関をはじめ幅広い取材網を持ち、週刊誌に20年以上にわたって記事を執筆している。
※SAPIO2016年1月号