これら以外にも、男性、家族にCKD患者がいる人、過去に血尿や尿たんぱくを指摘されたことがある人、腎臓病による入院歴がある人などもCKD発症リスクが高いといわれている。このような人は半年に1回程度、尿検査と血液検査を受けることで、進行状況を確認することが大切だ。
CKDの進行度合いは「eGFR(推算GFR)」で腎臓の働きを計算することでわかる。GFRとは糸球体ろ過量のことで腎臓の老廃物を排泄する能力を示す数値のことだ。
「GFRは血液検査で、クレアチニン値を調べ、その値に年齢や性別を加味した計算式で推算することができます。この推算したものがeGFRです。CKDの重症度は、eGFRと糖尿病など原因となる疾患、尿たんぱくの程度の3つを合わせて割り出されたステージで評価します」(山縣教授)
CKDの治療は、リスクファクターである生活習慣病の治療が欠かせない。減量や糖尿病、高血圧などの治療がCKDの進行抑制につながる。腎臓は一度悪くなると元には戻らないので、生活習慣の改善が不可欠だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2016年3月18日号