赤と青のイメージカラーは私服でも同じ
佳之介:中学生くらいから減り始めました。それでもマジックの仕事がない年はないのですが、メディアの露出が少なくなって、テレビは年間4、5本くらいでした。
暁之進:小さい頃は、テレビの仕事が毎月2、3本あったのですが、それくらいになりました。年収は、事務所と両親に管理を任せていたので、よくわかりませんが。
佳之介:今年初めて自分で確定申告をしたんですが、これくらい稼いだのかってことを初めて知りました。もっと頑張らなきゃなって思いました。
暁之進:僕たちは、皆さんが思っている程稼いでいませんよ。でも、中学生から学費は自分で払っています。
――ピーク時はかなり稼いでいたんじゃないですか?
暁之進:親には、赤字だった、自転車操業だったって聞いています。成長に伴って道具とか衣装を変えなきゃいけないし、イリュージョンの道具が高いんです。だいたい車1台分です。
佳之介:シャツでさえ特注で、1枚1万8000円だったそうですよ。成長期なので、半年ごとに靴も衣装も変えていました。
暁之進:それに、海外の遠征費がすごくかかるんです。大会出場はこちら持ちだし、ゲストショーに呼ばれても、遠征費以上の金額をもらえるわけではありません。一度海外に行くと5、600万円はかかります。
佳之介:飛行機では荷物が重いとオーバーチャージがかかるので、道具の装飾を木や鉄から発泡スチロールに代替したりして、いかに軽くするか。そういうのも大変でした。
――最近、新しい手品は考案していますか?
佳之介:あまり知られていないかもしれませんが、マジックは売ってるんです。だから、新しいものが出ているのか、最近どういうものが流行っているのかをチェックしています。自分たちで考えることもあるんですけど、購入することも多いです。
暁之進:マジックのディーラーさんが売っています。やっていいという権利だけで、購入しても、人に教えたり種明かしをしてはいけません。
佳之介:デビッド・カッパーフィールドっていう有名なマジシャンは、腹部切断イリュージョンの全ての権利を考案者から買いました。だから考案者さえそのマジックはできないし、他のマジシャンもやってはいけない。著作権みたいなものです。その金額というのが、ビルが2、3本建つ金額だったそうです。
暁之進:イリュージョンをやる権利の価格は、平均で100万円くらいです。ピンキリで、高いものだと1000万円、安いものなら1万円のものもあります。
――買ったものでもどう見せるかが腕の見せ所ですね。