散歩ばかりしているという作家で劇団「鉄割アルバトロスケット」主宰の作家・戌井昭人氏の週刊ポスト連載「なにか落ちてる」より、自分で考え出した男性限定の願掛けについてお届けする。
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神だのみとか、願掛けとか、具体的に願うことはなくても、やはり神社やお寺に行けば、なにか良いことありますようにと、賽銭を投げて、手を合わせている自分がいます。
友達が厄年だったとき、彼は街を歩いていて、神社があると気になり、見つけるたびに、お参りしていたらしいのです。しかし、これだと疲れるし、なかなか目的地にたどり着けなくて大変だったようです。でも、一度お参りして、他の神社を素通りすると罰が当たりそうだということで、「日本は、たくさん神様がいるんだよな」などと感心していましたが、これはこれで、いろんな神様にお参りしすぎて駄目なのではないかと思ったのです。
でも、その気持ち、なんだかわからなくもないのです。
茶柱が立ったからラッキーだとか、流れ星を見たから願い事とか、四つ葉のクローバー見つけたから幸せだ、などなど、迷信というか、なんだかわからない願掛けは、世の中にたくさんあります。
子供のころ、お茶を飲んでいたら、茶柱が立ったので、湯飲みから、その茶柱を取り出して、これからは、お茶を飲むたびに、この茶柱を湯飲みに入れれば良いと思って、ティッシュに包んで保管したのですが、すぐに親に捨てられました。
また、これは自分で考え出した願掛けで、子供のころからやっていて、現在もたまにやってしまっている、願掛けというか、癖みたいなものがあります。今回は、それを紹介したいと思うのですが、男性限定なので、女性の方はすみません。