■データ(2)「東北の乱」の悪夢再来
参院選で事実上の与野党一騎打ちとなった1人区で自民党は21勝11敗と予想外の苦戦を強いられた。その中でも1勝5敗と負けが込んだのが東北6県だ。
東北は安倍首相と自民党にとってまさに“鬼門”だ。公明党の基礎票は多くないが、農業地帯で保守地盤が強く、過去、自民党は自力で勝ってきた地域だった。
ところが、第1次安倍政権当時の2007年参院選で自民党は東北の1人区で全敗(当時は宮城は2人区)して与野党のねじれが生まれ、2年後の総選挙で民主党への政権交代の引き金となった。政界変動の前触れが起きる地域なのである。
安倍首相は前回参院選では東北で失っていた自民党の議席を回復し、リベンジを果たした。今回も東北を重点選挙区として首相自ら複数回応援に入って徹底的にテコ入れした。それにもかかわらず、再び「東北の乱」が起きた。
「勝った」と喜べる状況ではないのである。
※週刊ポスト2016年8月5日号