日弁連がまとめた『弁護士白書2015年版』によると、2006年に1200万円だった弁護士の年収は、2014年には600万円と半減。電機メーカーの平均年収730万円より下だ。この荒波に立ち向かう4人の現役弁護士が一堂に会すると、『弁護士白書』にも書かれていない弁護士たちの悲哀の声が噴出した──。
ひまわりを象ったバッジを胸に集まったのは自分で開業せず、他の弁護士の事務所に籍を置く居候弁護士、いわゆる「イソ弁」のA氏(42)、イソ弁として1年間働いたのちに自宅を事務所として開業した「宅弁」のB氏(35)、法律事務所への勤務経験なし、弁護士バッジを手にして即座に独立した「即独弁護士」のC氏(32)、そして昨年から自分の事務所を構え、今年から新卒のイソ弁2人を抱える「ボス弁」のD氏(49)である。
2004年に法科大学院が設置され、2006年には新司法試験が開始されるなど司法制度改革が進められた結果、2000年に1万7126人だった弁護士数は、2015年には3万6415人へと倍増した。一方で、訴訟件数は、2000年は約550万件だったが、2011年には約405万件へと約26%減となっている。
宅弁B:弁護士は増えたのに、訴訟が減っているんだから、仕事の奪い合いになるのは当たり前ですよね。
私は国選弁護人(*)の仕事に収入面でかなり助けられています。通常の被告人で約7万円、被疑者段階からだと約13万円の報酬が得られる。私選弁護人として請け負うケースに比べれば半額から3分の1の額ですが、希望する弁護士は多くて、月に1件くらいしか回ってきません。
【*貧困などの理由で私選弁護人を依頼できない被疑者・被告人に対し国が費用を負担する弁護士のこと】