ライフ

メンタル不調の「9月病」にはどう接すればいいのか

「9月病」との付き合い方は(写真:アフロ)

 9月は5月病のようにメンタルの変調を来す時期という。秋から冬にかけての「季節性うつ病」と呼ばれる症状もある。うつの人とどう関係を結べばいいのか。コラムニストのオハダカズユキ氏が体験的に語る。

 * * *
「5月病」は広く知られているが、同じような内容を意味する「9月病」という言い方もある。夏の体力消耗、季節の変わり面の身体的ストレス、職場環境の変化の疲れなどで、メンタル不調が起こりやすい時期なのだ。

 秋から冬にかけて、気分が落ちこみ、どうにもこうにもならなくなる「季節性うつ病」と呼ばれる症状もある。涼しくなって過ごしやすくなるのは元気な人で、気温の低下と共にふさぎこんでしまう人もいるわけである。

 コミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』の出版が2006年、映画化が2011年。行政の後押しもあり、およそこの10年、20年でずいぶんと啓発活動が進み、うつ病への偏見が減り、症状の自覚のある人が精神科や心療内科のクリニックを受診しやすくなった。

 クリニックに関しては、あまりにも急激にその敷居が低くなって、安易に受診する人も増えたことから、「精神科バブル」を指摘する医療関係者も少なくないほどだ。

 だが、そのいっぽうで、実際に身近な人がうつ病と診断されたり、疾患が危惧されたりした場合、はたして当人と周囲がうまく関係をつくれているかというと、まだまだなのが現状だと思う。

 たとえば、「うつ病の人に、頑張れ、と言ってはいけない」という件。

 この“常識”は、「うつ病は心の風邪」という喩えと同じくらい万人の知るところとなっている。しかし、「うつ病は心の風邪」が「風邪くらいなら簡単に治るだろう」という誤解も生んでしまったように、「頑張れ、と言ってはいけない」のほうにもけっこう弊害がある。

 うつ病患者は基本的に、仕事や人間関係の困難に対して頑張り抜いた結果、疲弊してしまって、身体が言うことをきかなくなっている。そんな「頑張りすぎで病気になった人」に、「頑張れ、頑張れ」と励ますことが問題なのは言うまでもない。

 ただ、「頑張れ、と言ってはいけない」の常識化で、職場などにうつ病患者やうつ病っぽい人が出た際に、当人とどう接していいのか周囲がわからなくなって、結果的にその人をみんなで遠ざけてしまう事態がよく起きている。

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン