●「時代の流れに敏感で懐が深いオジサマ」に見られたいあなたに
さっきのタイプほど頭の構造がシンプルではなく、もう少しだけ情報感度が高いオヤジが目指しがちな方向です。こっちはこっちで、たまに若者からおだてられるせいか、「俺は世の中の動きや若者の気持ちがよくわかっている」という誤った認識を抱きがち。自信満々で的外れなアドバイスをしてきたり、微妙に間違った知ったかぶりを披露したりして、職場ではひそかに苦笑されています(註:個人の偏見です)。
そんなことはさておき、「ら抜き言葉」が定着したというニュースは、こっちの方向で自分をアピールする上で活用しない手はありません。たとえば若い女性社員が「送っていただいた添付ファイル、見れました」と言ったら、すかさず食いつきましょう。
「なるほど『見れました』か。文化庁の最新の調査でも、すでに『ら抜き言葉』を使っている人のほうが多いっていう結果が出てたね。俺は言葉っていうのは変化していくもんだと思っているから、ぜんぜんOKだと思うよ。それに、いまの流れで『見られました』って言うと、俺が見たかどうか聞いているようにも取れるしね。言葉って、使いやすい方向にどんどん進化してるってことだね。アハハハ」
ああ、鬱陶しい。いや、第三者として見ると極めて鬱陶しいリアクションですが、言った本人は深い満足感を覚えることができるので心配はいりません。お望みどおり「時代の流れに敏感で懐が深いオジサマ」っぷりをアピールできた気にもなれるでしょう。