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赤ちょうちんと露地行灯が客を誘う東京・文京区の角打ち

『酒盗ピザ塩辛のせ』は人気のつまみ


「私ら酔っぱらい客のあしらいがとにかく上手。優しいし温かいし。おやじさんが元気だったころから通っているけれど、治江さんになって、もう一段楽しくなったね。客も確実に増えていますよ。1週間に5回しか来れないのが残念でたまりません(笑い)」(50代、証券マン)

「驚くなよ。実はこの酒屋より俺の方が年上なんだ。治江さんはひとつ年下でね、だから気楽に話せるわけだよ。ここは夜の俺の憩いの場だからねえ、今年になって来なかったのは2日だけだ。驚いたかい?」(80代、元建築板金業)

 数年前、その治江さんが体調を崩したことで、店を閉める話が持ち上がった。すると、「こんな楽しい店をなくさないで。閉めたらみんなどこへ行けばいいんだ」と、常連客から店存続の声が殺到したという。

 結局、有志5人が曜日ごとに交代で手伝うことになり、今日に至るまで赤ちょうちんと路地行灯の灯を消さずにきているのだ。

「昨日は客、しかし、今日は従業員ってわけでね。みんな妙に役にはまっていて面白いよ。武史? 一緒に飲んでべろべろになってるし、昔バンドをやっていたとかでギターがうまくてね。その伴奏で、みんなで歌ったりすることもある。まあ、彼も客のひとりってことかな(笑い)」(前出・証券マン)

 その従業員?たちも昼間は働いているため、開店時間はどうしても一定せず、しかも遅くなりがち。

「そういう事情で、みなさん、開店時刻は十一屋のHPで確認して来てくれます。角打ちは普通、1次会の場所なんでしょうが、うちは開くのが遅いんで、どこかで少し酒を入れてからという人が多いですね。7時には来る人、9時を過ぎないと来ない人みたいに、現れるローテーションもだいたい決まっています」(武史さん)

 そんな仲良し仲間たちが好んで飲んでいたのは焼酎ハイボール。

「酒にうるさい人間が多いので、酒の種類は豊富に揃ってる。酒なら何でもOKという自分には最高の店なんだけれど、焼酎ハイボールは、この金色のパッケージに惹かれて、ついつい手が伸びちゃいますね。甘くなくて、うれしい味って言うのかなあ。
とにかく飲みごたえがあって、ズバリうまいです!」(40代、製造業)

 賑わいの店の閉店時間は「午後11時」。屋号とは関係ないそうです。

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