11月22日に「中目黒高架下」がオープンした。中目黒駅改札を抜けると、全長約700mにわたる高架下に、書店、アパレルショップ、飲食店など、28店舗の真新しいショップやオフィスが並んでいる。
古くからの商店街や目黒川などの昔ながらの趣を残しながら、オシャレな店が点在する、新旧混在する新しい下町として発展してきた中目黒。そんな中目黒らしい楽しみ方ができるエリアとして、個性豊かな店舗が集結した、にぎやかな通りになっている。
「中目黒高架下」のように、近年、駅の近くや路地裏に点在する「横丁」が注目されているという。
「今まででいちばん印象的なお酒の場は俳優の石橋凌さんがぼくが20才になった日に“じゃあ飲もう”って声をかけてくださったときです」
こう話すのは、現在放送中の、『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(テレビ東京系・土曜24時20分~)で主演を務める中村蒼(25)。宮沢綾役が大ブレークした前作のラブストーリー『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)から一転、パロディー満載のコメディドラマだ。
「その飲みの場でかけてもらった言葉は今でも心に残っています。“仕事がなかなかうまくいかない時もあるけど、それをぐっと耐えるのが役者の仕事だから。とにかく腐らず諦めずに続けなさい”って」
10年後、中村が役者として一回り成長した時には、日本酒のおいしい横丁の店で、後輩に向かって、骨のあるアドバイスをするのだろう。
「やっぱり人肌に近いと思うの、つきあいが。だから構えず行けるし、何をどう頼もうと、どう楽しもうと、こっちが選びやすいじゃないですか。そりゃあ高級なところだって、自分が行きたいから選んでいるんだろうけど、ついお店側の情報に押しつけられる部分ってあるじゃない。横丁にはそういうのを自分の尺で取り込める大きさ…というか、小ささがある。そこが心地いいんじゃないかな」
こう話すのは、横丁をこよなく愛する、イラストレーターの矢吹申彦さん。著書『東京100横丁』(フリースタイル刊)には、故・伊丹十三監督に教えてもらったいい店も載せられているという。