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【日本株週間見通し】孫・トランプ会談で投資家心理改善

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の12月5日~12月9日の動きを振り返りつつ、12月12日~12月16日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。週末には1月4日につけたザラバ高値を更新し、昨年12月30日以来の19000円を回復する場面をみせた。週初はイタリアの国民投票が、大差で否決となるなか、政治不安への警戒から利食い優勢の展開から始まった。しかし、ある程度は織り込まれていたほか、これまでの英国のブレグジット(EU離脱)、米国の大統領選といったサプライズを経験していたこともあり、下げは限定的だった。翌日にはイタリアショックを吸収した欧米市場の流れを受けて切り返すと、その後4日続伸とリバウンド基調が強まった。

 そして上昇のきっかけとなったのが、ソフトバンクG<9984>の孫正義社長とトランプ次期米大統領との会談。孫社長は、500億ドル(約5.7兆円)を米国のスタートアップ企業などに投資し、5万人の雇用を生みだすとトランプ氏に約束したと伝えられ、ソフトバンクGの急伸が日経平均をけん引したほか、投資家心理の改善にもつながった。

 その後も米国市場ではトランプ政権でのインフラ投資や減税などの政策期待を背景にした買いが広がり、NYダウは連日で最高値を更新。この流れから海外勢によるコア銘柄への資金流入が継続する格好となり、ソフトバンクGのほか、メガバンクやトヨタ自など自動車株が買われていた。週末には先物・オプションのメジャーSQだったが、SQ通過後もコア銘柄への物色は継続しており、日経平均を押し上げていた。

 今週は13-14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目される。足元の好調な経済指標が利上げを後押しする格好となり、1年ぶりの利上げは織り込み済みである。為替市場では円安基調が強まることから、日本株市場は一段高が期待されてくる。ただし、米経済に対する安心感が高まるにつれて、2017年の利上げタイミングへの関心も高まってきている。

 利上げピッチが早まるとの見方となれば、さすがに米国市場は利益確定の流れに向かいやすい。また、海外勢のクリスマス休暇が意識されるため、先週のようなインデックス主導での強い値動きが続くかは見極める必要。節目の19000円回復で、いったんは達成感も意識されやすいところであろう。そうなると、コア銘柄への資金集中の流れから、中小型株に資金がシフトしてくるかが注目される。また、これといった調整がなく、コア銘柄への資金集中によって日経平均の上昇ほど、個人投資家のセンチメントは明るくない可能性もある。それ故に出遅れている中小型物色が強まろう。

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