ライフ

文明開化から150年目の食肉新時代 今年はジビエ元年に

野生のイノシシもジビエ肉

 今年は狩猟で捕獲された野生の鳥獣を料理する「ジビエ料理」が本格的に定着するかもしれない。その予兆はある。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 この数年「第四の肉が来る!」というようなことを言い続けてきたが、2016年にはようやく牛、豚、鶏以外の肉に本格的に目が向けられるようになった。羊肉の名店で知られる神田「味坊」や池袋「聚福楼」もそれぞれ近隣に新店をオープンさせ、都内にはジビエ専門の会員制一軒家レストランも開業した。2017年、いよいよ牛、豚、鶏以外の肉が本格的に日本に定着する年になる。

 長く続くブームが転換点を迎えるとき、そこには理由がある。

 そもそも明治の文明開化で肉食が日本に定着して以降、日本人にとって「肉」と言えば牛肉だった。近代国家の建設を目指した明治維新政府は長くタブーとされてきた牛肉食を解禁。市中の牛肉店には「官許牛肉」の看板が並び、東京府下には麻布本村、芝三田、千住など6か所に屠牛場の開設が許可された。

 ところが大正期に入ると特に関東では消費は豚肉にシフトする。そのきっかけとなったのは1904(明治37)年に開戦した日露戦争だった。「軍隊の糧食中最も緊要で最も力と頼む副食物は何であるかと云ふに、牛肉に越すものはありません」(京都府技師獣医学士古川元直「畜牛家の覚悟」(京都府臨時郡農会会長会に於る古川技師講話)と言われるほど、牛肉の評価は高かった。

 生肉に関しては現地調達も多かったが、兵食となれば保存の効く缶詰が重宝される。国内での屠牛頭数は平均20万頭だったのが、開戦した年には28万頭と一気に40%も伸びた。

関連記事

トピックス

金メダリスト萩野公介の離婚の真相に関係するであろう一文字
【萩野公介・離婚の真相】スピリチュアルな話が増えてmiwaとの夫婦生活に区切り、LINEプロフィールが“漢字一文字”に変わり周囲びっくり
女性セブン
神戸大学のバドミントン同好会「A(仮名)」 迷惑行為が問題になっている
《障子にパンチ、天井に胴上げアタック》神戸大学のバドミントン同好会が旅館を破壊か 大学側は「事実関係を調査中」
NEWSポストセブン
大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《大谷翔平を魅了》結婚相手・真美子さんの手料理は「お店のようなクオリティ」母・加代子さんの想いを受け継ぐ「温かな食卓の原風景」
NEWSポストセブン
ドジャースの公式Xより
ドジャース山本由伸が韓国遠征で「ジャージー×400万円バーキン」ファッション、なぜ野球選手は“ブランド好き”? かつては「ヴィトン×金ネックレス」が定番
NEWSポストセブン
税務職員たちの“カネにまつわる不祥事”が次々と明らかになった
【情報公開請求】税務署職員の懲戒処分144件を調査 カネに関する不祥事が続々「虚偽の確定申告」「不正受給」「勤務中FX15000回」で処分も
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、抜群の好感度でメディア出演待望論 モデル、キャスター、インフルエンサーなど幅広い分野での存在感に注目
NEWSポストセブン
活動は今年10月で一区切り“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)
《右耳聴覚も失っていた》“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(84)が語った「活動は今年10月で一区切り」と「叶えたい夢」
NEWSポストセブン
3月5日に「ガスト」店内と思われる場所で撮影された”調味料一気飲み”の動画が拡散された
《ガストで調味料一気飲み》迷惑動画を撮影・SNS拡散の3人がついに全員謝罪も運営会社は「厳正な対処」を継続方針
NEWSポストセブン
大谷翔平(Getty Images)と妻の田中真美子さん(レッドウェーブ公式サイトより)
【彼女はめっちゃ甘え上手】大谷翔平の結婚相手・田中真美子さん、大学同窓生が明かす素顔「チャラ男は好きじゃない」
NEWSポストセブン
羽生と並んで写真に収まる末延さん(写真はSNSより)
【全文公開】羽生結弦のアイスショーとバイオリニスト元妻のディナーショー、公演日程が丸かぶり 「なぜ同じ日に?」と関係者困惑
女性セブン
元横綱・白鵬の周りでは様々なトラブルが…
元白鵬・宮城野親方に関する「暴行告発状」“白鵬米”販売会で写真撮影をめぐるトラブル「取り巻きが市議にヘッドロック」証言
週刊ポスト
話題になっているジャッキー・チェンの近影(微博より)
《ジャッキー・チェンの現在》今年70歳になる大スターの近影に中華圏で驚きの声あがる「ちょっと急に老けすぎでは」
NEWSポストセブン