お正月の定番の食材といえば「もち」。もち米は、縄文時代後期に、稲作とともに東南アジアから伝わったとされる。その当時の米は赤色に近く、もちになりやすい性質の米だったらしい。「かがみもち」が誕生した平安時代以降は、季節の祭事、仏事など“ハレの日”に欠かせない食品となり、特に正月のもちつきや雑煮はその代表格である。
もちは、もち米を蒸して臼で粘り気が出るまで杵でついて成形、そのままであるいは煮たり焼いたりして食す。
栄養面でいうと、100gあたり約235kcalと高カロリー(白米は約168kcal)で、その約90%を炭水化物が占める。もちの炭水化物は脳を活性化する栄養素でもあるブドウ糖に変化するが、白米に比べてその速度が速いため、朝食にちょうどよい。頭がスッキリしてテキパキと動けるようになる。
家庭料理研究家の松田美智子さんは、もちについてこう解説する。
「私はおもちが大好き。時節を問わず、冷凍庫に必ず保存しています。かんずりとバターを添える磯辺巻きは私のオリジナルレシピで、おつまみやおやつの定番。小腹が空いた時にも重宝しますから、ちょっとおいしいおもちを常備なさると、助かります」
もちを保存する上でもっとも気をつけなければいけないのが、高温とカビのもとになる湿気。水気のある食品も保存する冷蔵庫は湿気対策が完璧とはいえないので、冷凍庫での保存がおすすめ。もちを小分けにし、ファスナー付きのフリーザーバッグなどに入れて空気を抜く。この状態で数か月は保存が可能。ただし、風味は落ちていくので、なるべく早く食べ切ろう。
◆マツダ風磯辺焼きのレシピ
【1】もち1切れを網で焼き、しょうゆ少量にくぐらせて、適当な大きさの焼きのりの上におく。
【2】発酵バター大さじ1/2とかんずり小さじ1を【1】にのせ、のりで巻いていただく。
※女性セブン2017年1月19日号