国際情報

習近平夫人がWHOから功労賞 事務局長のゴマすり指摘も

「露骨なご機嫌とり」の声も?

 中国の習近平国家主席夫人の彭麗媛さんがスイス・ジュネーブの世界保健機関(WHO)本部で、「結核とエイズ防止の親善大使」を長年務めた功績でWHOから功労賞を受賞した。これに先立ち、習氏がマーガレット・チャンWHO事務局長と会談しており、このタイミングでも夫人の受賞はチャン氏の習氏に対する「あまりにも露骨なご機嫌とり」との声が出ている。

 彭さんは2006年からWHOの親善大使を務めており、昨年の中国浙江省でのG20サミットや一昨年の南アフリカのヨハネスブルクでの中国アフリカ首脳会議などでは親善大使として結核やエイズの撲滅を訴えていた。

「今回の受賞は、彭麗媛夫人の10年以上にわたる親善大使としての功績にこたえるもの」とWHOは説明している。

 しかし、この受賞を伝えた米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「他維新聞網」は「この授賞式に先立って、習近平主席とチャン事務局長が会談しており、彭麗媛夫人の受賞は何らかの政治的な意図を感じさせる」などと指摘している。

 チャン氏は香港の出身で、日ごろから中国べったりの姿勢が目立つ人物。中国国営新華社通信など中国メディアは陳氏が会談で、「習近平主席がWHO創設70周年の記念すべきときに訪問していただき熱烈歓迎いたします。中国はWHOの創設メンバーであり、中国は長期間、世界の衛生事業やWHOの活動に重要な貢献を行ってきました」などと述べたと報じた。

 さらに、「WHOは今後も『一つの中国』を堅持していきます」などと強調して、中国の台湾政策を支持するとの姿勢を明確にした。国連の一機関の代表が政治的な問題にまで踏み込んで発言を行うのは異例。

 このため、チャン氏の言動や彭さんの受賞について、「習氏へのゴマすり」「あまりにもばかばかしくて、話にならない」などとの声が同新聞網の書き込み欄に寄せられている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

死亡が確認されたシャニさん(SNSより)
《暴徒に唾を吐きかけられ…》ハマスに半裸で連行された22歳女性の母親が“残虐動画の拡散”を意義深く感じた「悲しい理由」
NEWSポストセブン
退所を発表した松本潤
【松本潤が独立】7月から野田秀樹氏が手がける舞台に出演、ロンドンでも上演 舞台初共演の長澤まさみの“凄み”に刺激を受ける
女性セブン
所属事務所は不倫を否定(時事通信フォト)
《星野源と新垣結衣が完全否定》「ネカフェ生活」NHK・林田理沙アナとの疑惑拡散の背景「事務所が異例の高速対応」をした理由
NEWSポストセブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
大谷翔平、始球式サプライズに「なんてナイスガイなんだ」と全米絶賛 幻となった“真美子夫人の始球式”は7月以降に実現の可能性
女性セブン
9月の誕生日で成年を迎えられる(4月、東京・町田市。写真/JMPA)
【悠仁さまの大学進学】幼稚園と高校は“別枠”で合格、受験競争を勝ち抜いた経験はゼロ 紀子さまが切望する「東京大学」は推薦枠拡大を検討中
女性セブン
【ネットは見なければ平和】大ヒットエッセイ『九十歳。何がめでたい』が映画化、佐藤愛子さんのかっこよすぎる生き方と考え方
【ネットは見なければ平和】大ヒットエッセイ『九十歳。何がめでたい』が映画化、佐藤愛子さんのかっこよすぎる生き方と考え方
女性セブン
スキャンダル写真で芸能界を震撼させた『BUBKA』
《90年代アイドルを震撼させた月刊誌『BUBKA(ブブカ)』》の創刊編集長が急死していた スキャンダル写真で物議「スクープ100万円」「複数訴訟」の全盛期
NEWSポストセブン
杉咲花と若葉竜也に熱愛が発覚
【初ロマンススクープ】杉咲花が若葉竜也と交際!自宅でお泊り 『アンメット』での共演を機に距離縮まる
女性セブン
5月に入り病状が急変し、帰らぬ人となった中尾彬さん
【中尾彬さん逝去】数か月体調優れず、5月に入って容体が急変 葬儀は近親者のみ、妻・池波志乃さんは憔悴しながらも参列者に感謝
女性セブン
全国赤十字大会ではスピーチに目を潤ませる場面もあった(4月、東京・千代田区。写真/JMPA)
『虎に翼』を楽しんでいらっしゃる雅子さまと愛子さま 女性天皇への期待高まるなか、揺れるお立場に「日本初の女性弁護士の物語」を重ねられて
女性セブン
女子ゴルフ界の新星として注目を集める清本美波
【プロテストでトップ合格】女子ゴルフ界の新星・清本美波、女子大生と二足のわらじを履く18歳「目標はタイガー・ウッズ」
週刊ポスト
亡くなったシャニさん
《7か月を経て…》ハマスに半裸で連行された22歳女性が無言の帰宅、公表された最期の姿「遺体の状態は良好」「肌もタトゥーもきれいに見える」
NEWSポストセブン