トランプ米大統領をどういじるべきなのか。そのコツは「トランプ」にあった。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が、大人の遊び方を伝授する。
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まだどこか冗談みたいな雰囲気が漂っていますが、ドラルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に本当に就任しました。さっそく自身のツイッターや記者会見で暴言を吐きまくったり、各地で反対派のデモが起きたりなど、物議を醸しまくっています。
政治家としての実力はどうなのかとか、そのあたりはよくわかりませんが、遠く離れた日本のメディアでも連日大きく取り上げられるなど、話題や注目の集めっぷりは半端ではありません。しょせんは別の国に住む私たちとしては、トランプ大統領という強烈な存在をどうとらえればいいのでしょうか。今の段階では、とりあえず批判的に語ったり眉をひそめたりすれば賢そうに見えますが、その流れに乗っかるのもちょっと安易です。
「トランプ」と聞いて多くの人が最初に思い浮かべたのは、カードゲームのトランプではないでしょうか。英語の綴りも同じです。カードゲームのトランプなら、子どもの頃から親しんできました。同じ名前だし、トランプとトランプ大統領はきっと深い関係があるはず。トランプ大統領をどう受け止めてどう遊べばいいのか。トランプの遊び方から、次の3つのコツが浮かび上がってきました。
1.いちいち一喜一憂せずポーカーフェイスを保つ
トランプは、腹を立てたら負けです。トランプ大統領がどんな暴言を吐こうが、どんな非常識な行動を取ろうが、カスなカードを引くのと同じで、自分にどうにかできことではありません。いちいち怒りを覚えたり批判したりしたところで、無駄に疲れるだけです。
ポーカーフェイスを保ちながら、冷静に事の成り行きを見守りましょう。そのほうが、予想外の展開が起きても余裕を持って楽しめます。それに、たとえ何も考えていなくても、周囲から深みがありそうな人に見えるに違いありません。
2.あくまでゲームとして大勢でワイワイ楽しむ
トランプは、しょせんゲームに過ぎません。他国の政治状況を憂いたり批判したりするのも同じ。たしかに、トランプ大統領の言動はネタの宝庫ですけど、議論を戦わせるにせよ笑い合うにせよ、あくまでゲームとしてワイワイ楽しみましょう。
その場は盛り上がりつつも、勝ち負けにこだわったり、違う意見を言った相手の人格を否定するところまで感情をエスカレートさせたりするのは、いささか無粋。トランプを楽しむためには、大人の距離感を保つことが大切です。