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飼い主の足元にまとわりつく猫は「分離不安症」の可能性

あまりに甘えすぎの猫は“病気”かもしれない?

 かわいい愛猫に甘えられるのは嬉しいことだが、あまりにも甘えすぎるとなんだか不安になってくる──。大阪府の女性から、こんなお悩みが届いた。

「わが家の猫は私が家にいると常に足元にまとわりつき、トイレやお風呂にまでついてきます。その姿はかわいいのですが、私の姿が見えないとずっと鳴いていたり、粗相をします。これって性格? 落ち着かせる方法はありませんか?」(大阪府・まや、43才、自営業)

 国際猫学会ISFM所属で、東京港区・猫専門動物病院「Tokyo Cat Specialists」の山本宗伸さんが、アドバイスをします。

 * * *
 まやさんの猫は“分離不安症”かもしれません。これは、愛着のある人物(主に飼い主)から離れることで、不安や苦痛を感じることを示す動物行動学の用語です。犬によく見られる“病気”ですが、猫でも見られることがあります。

◆去勢したオス猫や5才未満の猫がなりやすい

 症状としては、飼い主の姿が見えないと不安になり、暴れて物を壊す、大きな声で鳴く、不適切な場所に排泄を行うなどです。5才未満の若い猫によく見られます。また、子猫の頃から一匹飼いをしていたり、去勢されたオス猫にも多い傾向が。

 そのほか、分離不安症になりやすい要因として、飼い主が単身者だったり、保護施設や動物病院で育った経歴があることなども挙げられます。

◆少しずつ、かまう時間を減らして

 分離不安症状の治療は、猫の独立心を高めることが大切です。自分の後を追ってくる姿は確かにかわいいですが、猫がまとわりついて来てもがまんし、なるべく注意を向けないようにしましょう。

 ただし、独立心を高めようと、突然猫を無視したりしては、余計不安にさせてしまい逆効果に。トイレにはついてきてもいいけれど、お風呂はダメなど、少しずつかまう時間を減らし、ゆっくりと独立心を育てていきましょう。

 また、刺激が少ない生活が原因の可能性もあります。室内飼育ですと、留守番中はどうしても退屈にさせてしまいます。そのため、飼い主との触れ合いが、いちばんの楽しみになってしまうのです。

 留守番中は小鳥が映っているビデオを流したり、転がすとフードが出るおもちゃを与えたりなど、退屈させない工夫をしてあげましょう。

 分離不安症と思っても実際には他の病気が原因で粗相をしていた、ということもよくあります。他の病気が原因だった場合、発見が遅れると重症化する危険性も。違和感のある行動が見られたら、必ず獣医師と相談しながら治療を進めましょう。治療には時間がかかりますので、長い目でつきあうことも大切です。

※女性セブン2017年3月16日号

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