ビジネス

カニカマ世界シェア70%「ヤナギヤ」 海外で人気定着

研究開発棟で整備中の最新型のカニカマ製造装置

 日本国内には、世界シェアトップを誇る中小企業が数多く存在する。ごぞんじ「カニカマ」の製造装置で世界トップを走るのが、山口県宇部市の「ヤナギヤ」だ。

 創業100年を超える蒲鉾の製造機械メーカーの同社が、カニカマ製造機械の開発に着手したのは1970年代初め。日本でカニカマが誕生したことがきっかけだった。

 その後、国内消費量は横ばいだったが、フランスではサンドイッチに、イタリアではパスタに使われるなど海外で人気が定着。1992年の20万トンから2013年には50万トンと2.5倍になり、製造機械の需要も急増。なかでも同社は70%と圧倒的な世界シェアを握る。

「身を斜めに裂き、見た目を本物のカニ肉に限りなく近づけるなど、技術のこだわりには絶対の自信があります」(柳屋芳雄社長)

 研究開発棟で整備中の最新型のカニカマ製造装置では、装置中央部分でカニカマを赤く着色する。最新機械「スーパースノークラブライン」で作られたカニカマは、見た目、食感は本物ソックリ。2004年に完成した「スーパースノークラブライン」は、1982年の初期型以来、世界18か国に輸出された。

 カニカマの原料となる魚肉を真空状態で細断混合してペースト化するボールカッターは、完成した1982年以来、約500台を販売し、魚肉ソーセージや練りワサビなどの原料加工にも使われている。

■取材・文/小野雅彦 ■撮影/佐藤敏和

※週刊ポスト2017年4月14日号

関連キーワード

トピックス

再婚妻との子どもが生まれた東出昌大。杏はイラストで子どもとの日常を投稿
《東出昌大と新妻による出産報告も突然のYouTube休止》3児の母・杏がSNSに投稿していた「家族イラスト」の意味深な背景
NEWSポストセブン
父親で精神科医の田村修容疑者(SNSより)
「供述に信用できない部分も…」ススキノ事件・田村修被告に執行猶予判決、求刑懲役10年を大幅に下回ったワケ
NEWSポストセブン
3つの出版社から計4冊の書籍が発売された佳子さま(時事通信フォト)
「眞子さんにメッセージを送られているのでは」佳子さま(30)のワイン系ツイードジャケットに込められた“特別な想い”《お二人の思い出の場でお召しに》
週刊ポスト
再び頂点を掴めるのか(大谷翔平/時事通信フォト)
【MLB開幕・ドジャース連覇への道のり】早々に地区優勝を決めてもポストシーズンでの“ドジャース病”を危惧する声 ワールドシリーズで立ちはだかるのは大型補強のレッドソックスか
週刊ポスト
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵容疑者(62)
【独占入手】女占い師の自殺教唆事件で亡くなった男性の長男が手記「200万円の預金通帳を取り上げられ…」「学費と生活費をストップ」、さらに「突然、親子の縁を切る」 警察に真相解明も求める
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《前代未聞のトラブル》八代亜紀さん、発売予定の追悼アルバムの特典に“若い頃に撮影した私的な写真”が封入 重大なプライバシー侵害の可能性
女性セブン
旭琉會二代目会長の襲名盃に独占潜入した。参加者はすべて総長クラス以上の幹部たちだ(撮影/鈴木智彦。以下同)
《親子盃を交わして…》沖縄の指定暴力団・旭琉會「襲名式」に潜入 古い慣習を守る儀式の一部始終、警察キャリアも激高した沖縄ヤクザの暴力性とは
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
《男性2人に自殺教唆》自称占い師・濱田淑恵容疑者が被害者と結んでいた“8000万円豪邸の死因贈与契約” 被害者が購入した白い豪邸の所有権が、容疑者の親族に移っていた
週刊ポスト
キルト展で三浦百恵さんの作品を見入ったことがある紀子さま(写真左/JMPA)
紀子さま、子育てが落ち着いてご自身の時間の使い方も変化 以前よりも増す“手芸熱”キルト展で三浦百恵さんの作品をじっくりと見入ったことも
女性セブン
被害者の「最上あい」こと佐藤愛里さん(左)と、高野健一容疑者の中学時代の卒業アルバム写真
〈リアルな“貢ぎ履歴”と“経済的困窮”〉「8万円弱の給与を即日引き落とし。口座残高が442円に」女性ライバー“最上あい”を刺殺した高野健一容疑者(42)の通帳記録…動機と関連か【高田馬場・刺殺】
NEWSポストセブン
緑の芝生に映えるチームカラーの青を基調としたユニフォーム
《横須賀から全国へ》16年ぶりの名門復活へ歩み始めた日産野球部、伊藤新監督が明かした意気込みとチーム作り「技術の日産ふさわしいチームに」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
「週刊ポスト」本日発売! マイナ免許証の恐ろしい重大リスクほか
NEWSポストセブン