初夏を迎えて新国立競技場がより具体的な姿を見せてきた。写真で競技場の上(南側)の白い敷地は秩父宮記念スポーツ記念館の建設予定地。東西の標高差の関係から地下の施設になるという。
現場では1か月前と比較して土壌掘削のためのショベルカーが減り、代わって機材運搬用の車両の数が増えている。
地盤改良が進み、左右(東西側)と下(北側)に白いコンクリートが配置されたことを考え合わせると、基礎工事が終盤に入ったことがわかる。
建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「左右にある墓石のようなものは、立てて並べた柱状のコンクリートで、これによって配管や配線などを通す空間を作ることができます。今後、この上にコンクリート板を積み上げて、地下の階層をつくっていきます。
それにしても大きな競技場です。右手(西側)に走る外苑西通りに迫るほどなので、旧国立競技場の1.5倍くらいになりそうです」
このペースで建設が進めば、梅雨明け頃には競技場の輪郭が浮かび上がる。
■撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2017年5月26日号