突然の「カールショック」が世間を襲った
突然の“余命3か月宣告”だった──。5月25日、大手菓子メーカーの明治はスナック菓子「カール」の東日本での販売終了を発表した。8月生産分をもって主力の「カールうすあじ」「カールチーズあじ」は西日本地域のみの販売になる。
1968年に「日本初のスナック菓子」として発売されたカールは、テレビCMでの〈それにつけてもおやつはカール〉のフレーズ通り、約50年間「国民的おやつ」として愛されてきた。
その誕生は日本の「おやつ文明開花」の象徴でもあると語るのは、昭和レトロライターの初見健一氏だ。
「1960年代後半に明治の社員が米国を視察した際、ソファに寝転んでスナックを食べる若者を見て『なんてオシャレなんだ!』と感動したことが、カール誕生のきっかけだといわれています」
販売終了の理由は売り上げの不調だ。全盛期の1990年代に小売りベースで年間190億円だった売り上げは2016年には約60億円にまで減少。回復が見込めず、工場を縮小して生産販売体制を大幅に見直すことになった。
スナック菓子の歴史を振り返ると、惜しまれつつ消えてしまった商品は多い。例えば1969年に森永製菓から発売された「スピン」は1998年に販売停止となった。しかし7年の時を経て、2005年に“奇跡の復活”を遂げた。
「小売店からの要望が強かったため、『期間限定商品』として復活させました」(森永製菓広報グループ)